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2021年10月10日19:13

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癒しの映画2本 『神在月のこども』『護られなかった者たちへ』

2本の新作邦画を見てきました。
どちらも、傷ついた人への癒しがテーマになっている映画です。

●『神在月のこども』

母を亡くしたことで、走ることができなくなった少女・カンナ(声:蒔田彩珠)。
とつぜん目の前に現れたウサギの神に、「各地の神社の神々から”馳走”を受け取り、出雲大社まで届ける」という”お役目”を受けることになる。戸惑いながらも引き受けたカンナは、死んだ母が先代のお役目=韋駄天だったことを知る。

ジュブナイル系の、どちらかというと低学年向けの絵柄なのに、壮大な物語というチグハグさが終始気になります。主人公の少女がわりとすぐに「東京から出雲まで走る」ことに同意してしまうとか、設定も変なのですが、「西日本の主な神社をまわって各地の神からアイテムを受け取る」というプロットは面白かった。

映画の終盤は、以前に自分が住んでいた島根県が舞台となるので、懐かしい風景が見られました。当たらなそうなオリジナルの題材なのに、長編劇場アニメーション化した勇気は買います。★★★。


●『護られなかった者たちへ』

東日本大震災から数年後の東北で、空き家に監禁された人間が餓死するという連続殺人事件が起こる。震災で家族を亡くした刑事の苫城(阿部寛)は、捜査を進めるうちに、ひとりの男(佐藤健)にたどり着く。やがて意外な真相が明らかになる。

歴史的な災害の裏で起きた殺人事件といえば、内田吐夢監督の傑作『飢餓海峡』を思い出します。もはや古典となったあの映画とは異なり、現在進行形で問題化している「生活保護の受給阻止」と「不正受給」をモチーフに、傷ついた人びとのやりきれなさが描かれます。

登場人物はみんな、阿部寛の刑事も含めて、震災で大きな喪失を味わっています。
ただでさえ辛い状況の中、凄惨な殺人事件が起きるので、見ている方も覚悟が必要です。

無常で非常な、福音のない結末の中で、阿部寛と佐藤健の心の邂逅だけが、数少ない救いでした。明るさのない、雲ったような情景を切り取るカメラも印象的です。★★★。
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