片岡千恵蔵主演×松田定次監督による名探偵・多羅尾伴内シリーズのうち2作をAmazon Primeで見ました。
おなじコンビによる金田一耕助シリーズは何本か見ていますが、多羅尾伴内モノは初めて(小林旭が70年代にリメイクした2作を先に見ています)。
Amazon Primeに無数に転がる珍品映画のごとく、例によって出どころの怪しいマスターで、映像も音声も酷いシロモノですが、ちょっとびっくりするほど面白く、続くシリーズ作も見てみたくなりました。
●『七つの顔』(1946(昭和21)年大映)
人気歌手が誘拐され、身に着けていたダイヤの首飾りが奪われるも、本人は無事に解放されるという怪事件が起こる。突然あらわれた初老の探偵・多羅尾伴内(片岡千恵蔵)が得意の変装を生かし、事件の真相を暴く。
●『十三の眼』(1947(昭和22)年大映)
ある事件を捜査中だった2人の刑事が何者かに殺される。被害者のうちの1人の刑事にかつて救われたことがある多羅尾伴内は執念を燃やし、犯罪組織を追い詰める。
…特にこの第1作『七つの顔』が良く出来ています。人気歌手の誘拐と釈放、しだいに明るみに出る真相、大団円までを一筆で描く職人監督・松田定次のうまさ。全盛期のショーン・コネリーを彷彿とさせる、片岡千恵蔵のキレのいいアクション。カーチェイスもガン・アクションもあり、見どころたっぷりの80分です。
使われる拳銃が敵も味方もブローニングM1910というのが面白い。プロップガンなのでしょうが、質感が妙にリアルで、もしかしたら無可動の実銃を使って撮影したのかも。
第2作では、斎藤達雄扮する悪のシンジケートに多羅尾伴内が挑みます。小津安二郎の初期の喜劇でヒトのいいお父さんを演じていた斎藤達雄が、ブロフェルド級の悪玉というのが可笑しい。片岡千恵蔵は、1作目ほどの変装ぶりを見せないのが残念。
前年まで戦火にあった国の映画とは思えない、豊かな面白さにくぎ付けになります。
1作目の製作は1946年なので、まだあちこち焼野原だったはず。
このシリーズは大映で4本撮られたあと、東映に移籍して続行されますが、どの作品もがぜん見たくなりました。Amazon Primeで見られる大映作品はこの2本だけの様子なので、ソフトを探すか。
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