大学時代の恩師(教授)より小包が届き、開けて見ると、映画のDVDが2本入っていました。
SF・ホラー・アクション・怪奇映画好きの先生で、自分の卒業から20年近く経った今でも交流があります。
届いたDVDのうちの1本が、日活のホラー任侠映画『怪談昇り竜』(1970)でした。以前から、先生より「君はこれを見た方がいい」と勧められていた映画です。
もちろん珍品映画です。
1970(昭和45)年、末期の日活映画。大映との共同による”ダイニチ映配”による数少ない作品です。
【物語】
関東ヤクザ・立花組の2代目、立花明美(梶芽衣子)は、抗争の中で、仇の妹だった少女の両目を斬ってしまう。それ以来、明美は黒猫の怨霊の悪夢にうなされるようになる。
やがて、立花組のシマをめぐり抗争が勃発。風来坊の男(佐藤允)の力を借りて抗戦する明美の前に、盲目の女用心棒(ホキ・徳田)が現れる。
…監督は石井輝男。伝説の『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』のあとの作品で、ちゃんと暗黒舞踏の土方巽も出て来ます。
怪談モノの味付けの施された任侠映画というだけでも異色中の異色。『座頭市』のエッセンスもあります。剥がされた人間の皮膚をくわえて暗躍する怨霊の前に、敵も味方もオロオロするというのが可笑しい。
インパクト大なのが、女座頭市のような居合の達人を演じるホキ・徳田。どうやら本職はジャズ・シンガーのようで、さながら『吸血鬼ゴケミドロ』で宇宙人を演じた高英男のごとし。さすがの梶芽衣子も佐藤允も食われてしまいます。
他にも、ゾンビのように死してなお動き回る加藤嘉(!)など、石井輝男の夢の玉手箱のようなカオスが楽しい怪作です。★★★。
崩壊寸前の日活映画のためか、日本での当時の評価は今ひとつだった模様ですが、海外ではブルーレイディスクもリリースされ、ウィキペディアにもちゃんと英語版のページがある人気ぶり。ブルーレイの最高画質なんぞで見た日には、悪夢必至です(笑)。
先生ありがとう。
ログインしてコメントを確認・投稿する