市川雷蔵祭のハシゴも3日目に。
今日の組み合わせは異色編とも言うべきラインナップで、興味深い2本を見ました。
●『忠直卿行状記』(1960(昭和35)年大映)白黒シネスコサイズ
若き福井藩主・松平忠直(雷蔵)は、大阪夏の陣で大手柄を立て、祖父・家康から名誉を受けるも、臣下が発した言葉をきっかけに人間不信に。乱心に次ぐ乱心、悪行の数々がお上の耳に入り、藩は危機を迎える。
周囲からチヤホヤされて育った殿様が、ふとしたきっかけで悪行三枚に。部下を切腹させるは人妻を寝取るは、とんだバカ殿に成り下がっていく様を、市川雷蔵が熱演しています。とはいえ新旧『13人の刺客』の斉昭ほどではなく、今見るとかわいいものです。★★★。
●『源氏物語 浮舟』(1957(昭和32)年大映)カラー・スタンダードサイズ
平安時代。田舎から出てきた娘・浮舟(山本富士子)は、大納言・薫の君(長谷川一夫)に見初められるが、女たらしとして悪名高い匂の宮(雷蔵)に寝取られてしまう。
紫式部の原作の映画化ではなく、続編的な戯曲の映画化。
長谷川一夫を筆頭にオールスター・キャスト&総天然色で、大映としては『地獄門』に続く欧米市場の開拓を目指したのでしょうが、どうやら当てが外れて興行は今イチだったようです。
監督は大ベテランの衣笠貞之助。文芸調を意識しすぎたのか、サイレント映画のような動きのない絵が続き、いささか退屈でした。
長谷川一夫も山本富士子も超のつくほどの大スターですが、なんせ年には差があるし、お歯黒に白塗りメイクでは感情移入どころではありません。
女に手をつけまくる雷蔵の悪辣ぶりは、見ていて新鮮でした。のちの眠狂四郎につながる原典のようでもあります。★★★。
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