1913年創業という、100年以上の歴史のある古い映画館で市川雷蔵祭を3本ハシゴしてきました。高崎電気館という映画館です。
いまの建物は1966(昭和41)年に建てられており、ほぼ当時のままの様子。
休館期間を経てはいますが、古い大きな映画館で、大映や松竹の直営館だった時代も。
当時の看板や設備もそのままで、自分がむかし通っていた函館の劇場を思い出しました。
ポップコーンの匂いなどしない、据えたような空気と独特の薄暗さ、かつての賑わいを思わせる痕跡の数々に魅入ってしまいました。
いま上映されているのは市川雷蔵で、3本立て続けに見て来ました。
●『切られ与三郎』(1960)カラー・シネマスコープ
裕福な商人の放蕩息子(雷蔵)が、やること成すこと裏目に出まくり、転落していく様を描いています。監督は伊藤大輔。
●『いろは囃子』(1955)白黒・スタンダードサイズ
これもまた材木問屋の若旦那(雷蔵)が、ヤクザの道に入り込み、悲劇を迎える物語。
市川雷蔵の時代劇は、最初に見た『眠狂四郎』のイメージが強すぎて、強くない男を演じるのを見るのは新鮮でした。脚本が衣笠貞之助と思ったら、戦前の松竹映画の脚本をもとにしているようです。
●『婦系図』(1962)カラー・シネマスコープ
泉鏡花の原作を三隈研次監督で映画化した文芸大作。
明治を舞台に、スリからドイツ語翻訳者にまで上り詰めた主人公(雷蔵)がたどる悲恋のお話。暗い物語の中で、狂言回しのような船越英二が面白い役回りでした。
…いずれの映画も封切り時にこの映画館で上映されたであろう作品。60年近くを経て、同じ劇場の同じスクリーンで見られるのは奇跡です。
これからも通うつもりの映画館です。
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