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2020年05月13日23:01

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悪魔を出さずに悪魔を描く 『スペードの女王』

DVD-BOX「恐怖と幻想の世界」からの映画鑑賞が続きます。
あと2本で見終わりますが、もうすぐ姉妹編BOX(また10本収録)が届くので急がないと。

という訳で今日見たのは英国製スリラー『スペードの女王』です。プーシキンの原作です。

いやあ、これはこれは…。傑作ですよ。面白かった!

1949年のイギリス映画。
白黒/スタンダード・サイズです。

【物語】
19世紀のロシア、ペテルブルク。
工兵のゲルマン(アントン・ウォルブルック)は、質素・倹約・真面目をモットーにコツコツ貯めていたが、あるとき古書店で「悪魔と取引をしてカードで富を得た伯爵夫人」の物語を知り、その伯爵夫人が存命であることを知る。金に目が眩んだゲルマンは、伯爵夫人の付添人の娘に取り入り、夫人に接近し、カードの必勝法を聞き出そうとするが…。

…怪奇映画といっても悪魔が実際に出てくる訳ではなく、その悪魔の正体も有名なサン・ジェルマン伯爵であることが早々に明かされます。しかしこれは間違いなく、悪魔を描いた映画です。

真面目を絵にかいたような主人公が、ほとんどやったこともないギャンブルに憑りつかれ、最後の最後でどん底に落とされる様を、主人公役のアントン・ウォルブルックの演技と演出だけで表現。クライマックスのカードのシーンでは、主人公はまばたきをしていません。まさに、悪魔に憑りつかれたかのような演技。『エクソシスト』のリンダ・ブレアのような、分かりやすい悪魔と違います。俳優の演技と演出で魅せる悪魔です。

監督のソロルド・ディキンソンは恥ずかしながら知らない人でした。イングリッド・バーグマンの名作『ガス燈』のオリジナル版(1938)を撮った監督ということで、この方面に才能のあった監督のようです。

「3」「7」「1」…この3つの数字がしばらく頭から離れなさそうです。

★★★★。
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