年に何本か、「見る前から傑作の予感」を感じさせる映画があるのですが、今日見て来た『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』は期待通りの傑作でした。
アガサ・クリスティーと70年代のミステリー映画群(…『シーラ号の謎』『名探偵登場』『ナイル殺人事件』『デストラップ/死の罠』…!)に魅せられたライアン・ジョンソン監督が自身の脚本を映画化。みごとアカデミー賞で脚本賞にノミネートされました。
いやあ、楽しかった。久しぶりに見た本格殺人ミステリー映画です。
【物語】
ミステリー作家にして富豪のハーラン・スロンビー(クリトファー・プラマー)が、誕生日の翌朝に不審な死を遂げた。警察は自殺と判断したが、名探偵として名高いブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)は他殺を疑う。
ハーランの子供たち、長女のリンダ(ジェイミー・リー・カーティス)と夫リチャード(ドン・ジョンソン)、長男の妻ジョニ(トニ・コレット)、次男のウォルト(マイケル・シャノン)、孫のランサム(クリス・エヴァンス)は、それぞれ私生活や経済に問題を抱えており、ハーランの遺産を当てにしていた。
ブノワは、故ハーランが信頼を寄せていた移民出身の看護師マルタ(アナ・デ・アルマス)を探偵の助手とし、捜査を進めるが…?
…『探偵/スルース』を思わせる豪華な邸宅のセット、張り巡らされた伏線、豪華なキャスト!
エンド・クレジットに至るまで、監督の愛した70年代のミステリー映画の雰囲気が見事に再現され、それなのに懐古趣味に終わらせなかったライアン・ジョンソン監督の腕を見直しました(今までSFの人と思っていた)。
被害者のミステリー作家にクリストファー・プラマー。これ以上のハマリ役はないでしょう。
容疑者となる家族の面々にジェイミー・リー・カーティス、マイケル・シャノン、ドン・ジョンソン、トニ・コレット、クリス・エヴァンス。うさん臭さ満点の容疑者役を嬉々として演じており、とにかく楽しい。特にキャプテン・アメリカとは正反対のダメ孫を好演するクリス・エヴァンスの口の悪さ!
重要人物となる看護師役のアナ・デ・アルマスは素朴でも可愛さ満点です。
そして、最も大切なのは名探偵の登場。
演じるのは”007”ジェームズ・ボンド=ダニエル・クレイグ。劇中では「最後の紳士探偵」と称されるのに、スーツも葉巻も野暮ったくて最高です。最後まで得体の知れない探偵なのがまた、ミステリアス。ダニエル・クレイグの非ボンド映画では、『ローガン・ラッキー』と双璧をなす傑作です。
ブノワ・ブランが再び登場する続編の製作が決定したそうで、こんどはクローズド・サークルものをやって欲しいなあ〜と密かに期待です。
★★★★。
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