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2019年11月29日23:34

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ビートルズ不在なのにビートルズ愛全開の快作 『イエスタデイ』

ダニー・ボイル監督の『イエスタデイ』が地元劇場で遅れて公開され、喜んで見に行ってきました。

これは…ダニー・ボイル監督の映画で一番好きかもしれません。


【物語】
英国の小さな港町に暮らす売れないミュージシャンのジャック(ヒメーシュ・パテル)は、全世界が12秒間停電した夜、事故に遭って意識を失ってしまう。

やがて目が覚めたジャックは、親友のエリー(リリー・ジェイムズ)達からもらった退院祝いのギターでビートルズの名曲”イエスタデイ”を弾き語ってみせたところ、えらく感動される。

不思議に思ったジャックがインターネットで調べると、全世界からビートルズの存在が消えていた。ビートルズの曲を自身の曲として発表しだしたジャックは、瞬く間にスターへとのし上がっていくが…。


…ドラえもんの「もしもボックス」のような状況に陥った人のよい売れないシンガーが、名声を手に入れつつも、後ろめたさに思い悩むというハートフル・コメディです。

脚本が保守的なリチャード・カーティスなので、ダニー・ボイルの演出と合わないかと思っていたら、杞憂でした。心温まる物語と、監督の疾走感あふれる演出が見事に融合しています。

中盤で登場する、主人公以外にもビートルズを知っている人間の存在が、後半に向けてのスリルのタネとなりますが、意外な形で昇華したので驚きました。この展開は予想しておらず、予想以上のものでした。

極めつけは、終盤に登場するビートルズのあの人(ある大物俳優が特殊メイクで演じております)。あのシーンは反則。久しぶりに泣けました。

朴訥そうな主人公役のヒメーシュ・パテルもいいし、親友役のリリー・ジェイムズも素朴で可愛らしかったです。脇を固める俳優も良く、主人公の悪友兼付き人のロッキー(ジョエル・フライ)がいい味です。何だかんだ言っても、この悪友の存在が大きい。

そして、まさかの本人役で登場するエド・シーランが、これまたいい演技を見せます。
カメオ出演などではなく、ちゃんとした助演で、キーパーソンです。

ビートルズ不在の映画なのに、ビートルズ愛に満ち溢れている快作です。

★★★★★。
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