あの『シャイニング』の39年ぶりの続編となる、『ドクター・スリープ』を見て来ました。
原作は前作と同じスティーブン・キング。監督はホラー畑出身のマイク・フラナガンです。
※ご注意。映画の内容に触れる記述があります※
【物語】
1980年。オーバールック(展望)ホテルの惨劇から生還した少年ダニーと母ウェンディは、フロリダへ引っ越していた。ダニーの前には再び”彼ら”が現れたが、ハンロン(カール・ランブリー)の助言によって”彼ら”を封じ込めることが出来るようになる。
それから39年後の2019年。アルコール中毒となり、一時は身を崩していたダニー(ユアン・マクレガー)だったが、立ち直り、ホスピスで看護助手として働いていた。一方でダニーは、彼と同じ”シャイニング”を持つ少女アブラ(カイリー・カラン)と交信する日々を送っていた。
しかし、アブラの強力な”シャイニング”に目を付けた同じ能力者の集団が、彼女を付け狙う。
…この映画が凄いのは、キューブリック版『シャイニング』を嫌うスティーブン・キングを説得して、キングの原作続編の映画化ではなく、キューブリック版の映画の続編として作られたということです。
原作に敬意を払いつつも、スタンリー・キューブリックへのオマージュが随所に散りばめられています。
とはいえ前作のオーバールック・ホテルは、クライマックスの舞台として利用されるだけで、あくまでこの映画は、”シャイニング”を持つ善人を捕食しようとする悪の集団との攻防を描くのに徹しています。
悪の能力集団のボスがレベッカ・ファーガソン。ヒッピー風のコミュニティのリーダーで、強力な力を持つ残忍な能力者という役でした。美人で穏やかそうなのに性格は残忍という意外な役どころで、これは適役でした。
対する(成長した)ダニー・トランスがユアン・マクレガー。狂気の父と優しかった母を失い、孤高の能力者となっており、マクレガーの好演が光ります。
大人の能力者をはるかに凌駕する、驚異の”シャイニング”を秘めた少女役のカイリー・カランは、これが大作デビューとなります。今後に期待できそうです。
1980年の(『シャイニング』の惨劇直後)のシーンや、オーバールック・ホテルに巣食う”彼ら”の場面では、CGや過去のフッテージを使うのではなく、キューブリック版とよく似た俳優を使って演出しているのが面白いです。
中でもジャック・ニコルソン=ジャック・トランスを、ある俳優が演じており、驚かされました(クレジット見るまで気づかず)。
『シャイニング』を偏愛する者としては、まるでベクトルの異なる続編に戸惑いながらも、大いに楽しんだというのが本音です。★★★★。
ログインしてコメントを確認・投稿する