近代SF映画の父、ジョージ・パルの監督作『謎の大陸アトランティス』がオンデマンドDVDで突然出たので、買って見ました。
ジョージ・パルといえば、ウィリス・オブライエン、レイ・ハリーハウゼンらとともにハリウッドVFXの父のような人です。プロデュース作『黒い絨毯』『宇宙戦争』『地球最後の日』などが有名。
自身の監督作はあまり多くなく、『タイム・マシン』『ラオ博士の7つの顔』、シネラマ大作『不思議な世界の物語』などがあり、そして本作があります。
おそらく本邦初ソフト化となる作品です(VHS時代にも聞いたことなし)。それだけにずっと見たかった映画でもあります。
1961年のアメリカ映画、MGM作品です。
【物語】
古代ギリシア。
漁師の青年ドミトリウス(アンソニー・ホール)は、海で漂流していた女アンティリア(ジョイス・テイラー)を助ける。彼女は伝説のアトランティス大陸の王女であると名乗ったが、ドミトリウスは信じない。
故郷のアトランティスに帰りたいアンティリアは、ドミトリウスを説き伏せて、生きて帰ったものがいないという魔の海域へと向かう。苦難の船旅の末、2人はアトランティスにたどり着く。そこには高度な文明を誇る帝国があった。
…モブシーンの大半は、同じMGM製のスペクタクル映画『クォ・ヴァディス』からの焼き直し。特撮マンとしてのジョージ・パルの腕の見せ所は、クライマックスのアトランティス崩壊のシーンに発揮されています。ミニチュア・ワークスの見事さは、同時期の円谷英二の作品にも匹敵します。
潜水艦やレーザー兵器、バイオテクノロジーのような高度な技術を持ちながら、奴隷労働に依存しているというアトランティス帝国の矛盾を描きたかったのでしょうが、それには尺が短すぎました(ぴったり90分)。
謎なのは、この映画の日本公開に際して、なぜか日本語吹替版のみで上映されているということ。公開当時のポスターを見ても、そうなっています。60年代を考えると、イタリア製残酷ドキュメンタリー映画などは吹き替え版のみの公開が珍しくなかったようですが、そういった作品と同列と見なされていたのかもしれません。
★★★。
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