おそらく30年ぶりぐらいに、『名探偵ホームズ』劇場版の4作を見ました。
80年代の半ばにイタリアとの合作で製作され、全26話のうちの6話の監督を宮崎駿が手掛けています。
今まで気づきませんでしたが、演出補や脚本を手掛けていた片渕須直は、のちの傑作『この世界の片隅に』を監督する人。
『耳をすませば』の近藤喜文や、宮崎駿の盟友・高畑勲も加わっており、この国の劇場アニメーションを代表する逸材が集まって作っていたことに改めて驚きました。
●『青い紅玉』『海底の財宝』(1984)
権利の関係や資金のためにオクラ入りしかけていたエピソードを、『風の谷のナウシカ』(1984)との併映用に編集した2話です。
コナン・ドイルの名前やキャラクターが使えず、シャーロック・ホームズは「シャーベック・ホームズ」に
、モリアーティ教授は「モロアッチ教授」に音声箇所が編集されています。
宮崎駿のミリタリー魂が炸裂する第2話『海底の財宝』では、軍艦マーチがほぼフルスコアで使われ、海戦シーンが見どころの一つです。
●『ミセス・ハドソン人質事件』『ドーバー海峡の大空中戦!』(1986)
『天空の城ラピュタ』併映のために編集された2話。
権利関係の問題が解消し、キャラクター名はドイルの原作に準じています。
ホームズの声が広川太一郎になり、007=ロジャー・ムーアを彷彿とさせます。
ハドソン夫人にスポットを当てた2話で、19歳の未亡人にして飛行機乗り、射撃の名手という設定は、宮崎駿初期作品の最強ヒロインです。
『ドーバー海峡』では、のちの『紅の豚』の片鱗を伺わせるような航空アクションが展開。空を飛ぶ場面の高揚感は、この頃にして既に確立されています。
…TV放映版は26話もあり、小さいころにかなり見ていたはずなのですが、はっきり記憶していたのはこの4話。幼少のうちにこんな完成度の高い作品を見せられていたら、目も肥えます。
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