間もなく発表されるアカデミー賞で10部門にノミネートされている映画『女王陛下のお気に入り』を見て来ました。スチュアート朝最後のイングランド女王、アン女王の寵愛をめぐる、2人の女官の宮廷内での戦いを描く物語です。
アン女王を演じたオリビア・コールマンが圧巻の演技です。一見の価値あり。
【物語】
スペイン継承戦争下のイングランド、1704年。
没落した名家の娘アビゲイル(エマ・ストーン)は、アン女王(オリビア・コールマン)の側近で寝室付き女官のサラ(レイチェル・ワイズ)を頼り、宮廷にやって来るが、最下級の召使いの仕事しか得られなかった。しかし、ふとしたきっかけで女王の気に留まる存在となる。
サラは、機転の利くアビゲイルを女官として採用。アビゲイルは次第に女王の寵愛を得るようになり、サラと対立するようになる。
…スチュアート朝版『イヴの総て』といった物語で、エマ・ストーンvsレイチェル・ワイズという当代きっての女優の激しい対決が見どころの一つ。スペイン継承戦争(アン女王戦争)をめぐる王室内の対立の内情を知っていると、さらに楽しめます。
前述のとおり、オリビア・コールマンの演技が凄いです。
痛風に苦しみ、だだっ子のように我がままで気分屋の女王様。政治はほとんどサラにまかせっきりで、死んだ子供たち(17人!)の代わりのウサギを誰よりも可愛がる。非常に難しい役ですが、オリビア・コールマンが一世一代の名演技を見せます。
その女王のウサギを足でぎゅーっと踏みつぶすエマ・ストーンも怖いし、彼女の罠にはまり顔に大きな傷を負うレイチェル・ワイズも相当怖い。『何がジェーンに起こったか?』級の女同士の執念の対決が繰り広げられます。
映画ではアビゲイルが実権を握り、サラが追放されることを示唆するところまで。史実では、そのあとアビゲイルは女王の死で地位を失い、サラと夫(マールバラ公)は英国に戻り王室と関係を修復させます。
そしてサラの子孫からは、かのウィンストン・チャーチルが誕生することになるのです。
事実は映画より奇なり。
★★★。
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