映画史に燦然と輝く記念碑のような超大作、『イントレランス』を国内盤BDで見ました。
世界映画史的な書籍には必ず登場し、現代の映画技術の基礎が確立された、教科書的作品でもあります。
この映画、完成時は8時間近くあったものが、全米公開時に3時間に編集され、その後も様々なバージョンが存在します(フリッツ・ラング『メトロポリス』とよく似た境遇です)。今回出たIVC版は、上映時間167分のバージョン。画質が非常に良いので、近年のデジタル・リマスター版と思われますが、出どころの記載がないのが残念です。
教科書的映画ということで妙にかしこまってホームシアターにかけました。
ところが全然。2時間40分の長尺をまったく飽きさせない、スリリングな場面に富んだ娯楽大作でした。
1916(大正5)年。アメリカ映画です。
【物語】
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紀元前6世紀の新バビロニア王国は、若き国王のもと、繁栄を謳歌していた。
気の強い”山の娘”は、強引に結婚させられそうになるが、たまたま通りかかった国王に”自由の紋章”を与えられ、国王を尊敬するようになる。一方では、アケメネス朝ペルシャのキュロス2世が、バビロニアを滅ぼそうと画策していた。
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ユダヤの地に現れた救世主(イエス・キリスト)は、様々な奇跡を起こし、人びとに慕われるようになる。しかし、それを良く思わないパリサイ人たちは…。
��聖バルテルミの虐殺
16世紀のフランス。プロテスタント”ユグノー”の台頭に危機感を持つカトリーヌ・ド・メディチは、息子である国王シャルル9世をたき付け、ユグノーを一層しようとする虐殺計画に調印させる。
�じ渋絅▲瓮螢�編
労働者の地位向上を目指す慈善団体が、資本家である工場主から資金援助を得るが、工場主が労働者の賃金をカットしたこからストライキが起こる。ストの影響で引っ越しを余儀なくされた娘は、同じ境遇の青年と結婚し、子どもを設けるが、理不尽な悲劇が次々と襲いかかる。
…� 銑い裡瓦弔離┘團宗璽匹�、オムニバスではなく、入り乱れた形で物語を展開していく映画です。当時の観客には難解で理解されなかったと言われていますが、それもこの映画がパイオニアたる所以でしょう。
タイトルにある通り、映画のテーマは”イントレランス”=「他人を受け入れない不寛容」にあります。不寛容が怒りと憎しみを生み出し、悲劇を作っていくという歴史が、� 銑�のエピソードを中心に語られます。歴史的悲劇に終わる� 銑�とは異なり、現代編の�い世韻�、救いを描いています。
この映画が初公開から100年以上経っても不変であるのは、歴史が繰り返されているからです。100年経っても何も学ばれていない。だからこそ、100年前の映画であっても訴えかける力には衰えがない。これは凄いことですが、同時に怖いことでもあります。
映画のクライマックスに、現代の戦場と破壊される都市のショットがありますが(公開中に行われていた第一次世界大戦を彷彿とさせます)、それを雲の上から見守る人々は劇中で悲劇の死を遂げた登場人物たちのようです。未来を予見しているようでもあります。
ショットとショットの間に、ゆりかごを揺らす女性のシーンが何度も挿入されるのが印象的でした(演じるのはリリアン・ギッシュ)。
人種差別と糾弾される『国民の創生』を撮ったグリフィス監督が、防御的な意味合いで撮った作品とも言われていますが、真実は監督のみぞ知るといったところです。
★★★★。バビロニアの超絶大型セットだけがこの映画の真価ではありませんでした。
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