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2018年06月28日23:38

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極彩色の格差社会 『フロリダ・プロジェクト』

今年のオスカー・レースの候補作の1つでもあった『フロリダ・プロジェクト/真夏の魔法』を見て来ました。邦題の副題は蛇足です。


助演のウィレム・デフォー(クレジットでは1位)以外は子役と母親中心のノー・スター映画で、低予算ですが、35ミリフィルムで撮影されたシネスコ画像が登場人物を活写しており、一貫してドキュメンタリー・タッチであることも異色で、鋭い映画でした。

良作。映画館で見るべき映画と思います。


【物語】
フロリダ州、ディズニー・ワールド近くの安モーテル。
6歳の少女ムーニー(ブルックリン・プリンス)は、ゴルフ場に来る金持ちに香水を売りながら生計を立てる母ヘイリー(ブリア・ヴィネイト)と2人で暮らしていた。モーテルの管理人のボビー(ウィレム・デフォー)に煙たがられながらも、近所の子どもたちと力いっぱいに遊ぶムーニーだったが、小さな出来事が積み重なり、やがて思わぬ事態が起こる。


…アメリカ映画の子役はみんな自然で上手い。中でもこのブルックリン・プリンスという子は、おそらく演技をしてるという自覚が無いのではないかと思うぐらい自然で、屈託がなく、愛らしいです。友達役の子もみんなそう。上手いというか、上手さを感じさせず、映画に溶け込んでいて凄いのです。

大人役もみんないいのだけれど、ウィレム・デフォーがいいなあ。
かなり真面目に仕事に励むモーテルの管理人の役で、部外者が敷地内に勝手に入ってきた時の対応なんか、痺れます。

このウィレム・デフォーが、映画の最期に大きな避けられない出来事に直面して、やり切れずにモーテルの洗濯場でタバコを吸うシーンがあるのですが、そこが一番泣けました。大変なことになってるのに、モーテルの住人に「その洗濯機は週末までに修理するから」なんて言う。本当に善人なのですね。並みの俳優では出せない味でした。タバコの吸い方もまたいい。

日本の格差も深刻だけれど、アメリカの格差社会も酷い。10年前までは、ここまで赤裸々にアメリカ社会を描いた映画は少なかったように思います。ディズニー・ワールドという華やかさの象徴のような場所があって、その周辺では食うにも困る人々が溢れていて。

だからこそ、最期のシーンが際立って残酷なのでした。


★★★★。
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