『ALWAYS』シリーズ、『永遠の0』、『STAND BY ME ドラえもん』、『海賊と呼ばれた男』。これらの作品群に共通するのは何か。それは、同じ監督作であるということです。
『ジュブナイル』以降、ほとんど映画館で見ている山崎貴監督なのですが、見るたびに困惑し、複雑な思いで映画館を後にすることが多いのが困りもの。
新作映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』は、『ALWAYS』シリーズの原作者による漫画を同監督で映画化したもので、上映時間2時間10分にもおよぶ大作ファンタジーです。
今度もまた、困り切って映画館を出てきてしまいました。
【物語】
作家の一色正和(堺雅人)の鎌倉の旧家に、結婚したばかりの新妻・亜紀子(高畑充希)が嫁いでくる。妖怪や魔物が闊歩する不思議な日常に戸惑う亜紀子だったが、2人の新婚生活は幸せなものだった。
ところがある日、亜紀子の魂が体を離れてしまうという事件が起き、抜け殻となった体は消えてしまう。死神(安藤サクラ)により、”黄泉の国”へと旅立ってしまった亜紀子を、正和は必死で追いかける。
…カッパやら鬼やらのクリーチャーが大挙して出てきますが、お世辞にもいいキャラクター・デザインとは言えず、ストレートに気持ちが悪いので辟易します。キャラクター・デザインはこの映画の肝だと思うのですが。
昭和50年ごろを意識しているのか、現実世界の描写はさすが『ALWAYS』の監督だけあってノスタルジーに溢れ、よい雰囲気です。しかし”黄泉の国”が登場する後半は、『千と千尋の神隠し』のCGゴテゴテの焼き直しのようで、既視感に満ちています。
『クライマーズ・ハイ』で最高の演技を見せた堺雅人と堤真一、『家族はつらいよ』と対照的な夫婦を演じた橋爪功と吉行和子が再共演を果たしているのに、よい化学反応を起こしてはいません。勿体ない限りです。
そんな中、数少ない救いなのが2人の名優の出演。
このようなVFX大作に出演していることが信じがたい、安藤サクラと田中泯です。
ビジネスライクに仕事を進める死神という変わり種を演じる超個性派俳優・安藤サクラは、銀髪に男装というこれまた超個性的なスタイルで登場。異様な存在感を放っておりました。
内面に寂しさを秘めた嫌われ者の貧乏神=田中泯は、物語のキーパーソンの役割を果たします。ヒロイン・亜紀子に優しいもてなしを受け、食事をするシーンの繊細な演技は、この映画の唯一の白眉たるシーンでした。
★★。
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