香港映画の巨匠、キン・フー監督の武侠映画が相次いで放送されたので、ブルーレイに録画してあわてて見ました。
この監督の映画で見ていたのは『大酔侠』だけで、しかもかなり昔。
『大酔侠』も改めて放送されたので、併せて見ました。
いやあ、これはこれは。2本とも面白い!
●『大酔侠』 (1966年香港)
凄腕の女剣士、金燕子(チェン・ペイペイ)が辺境の宿屋にやってくる。山賊に捕らえられ、人質にされた兄を救い出すためだった。敵の術策にはまった彼女だったが、謎の酔っぱらい(ユエ・ホア)に助けられる。その酔っぱらいは実は、伝説の武道家だった。
…名作『グリーン・デスティニー』の原点とも言うべき作品。
その『グリーン〜』では怪女の役だったチェン・ペイペイが、若き日の凛とした女剣士を好演する名作です。
面白いのは、主人公だったはずの女剣士がどんどんカヤの外に置かれていき、いつの間にか師匠と弟子の後継者争いの物語へと変化していくことで、気が付くと女剣士は脇役になっている点。お世辞にも上手な脚本とは言えないものの、面白ければ何でもあり!と言わんばかりに展開していくので、大いに楽しめます。★★★★。
●『残酷ドラゴン/血斗竜門の宿』 (1967年香港)
王朝の要人暗殺のため、荒野の宿屋に集まった暗殺者たち。
宿屋の主人を訪ねてやってきた風来坊の男を追い出そうとするが、男は凄腕の剣士だった。やがて、宿屋には次々と曰くありげな者たちが集まって来る。
…タランティーノの『グロリアス・バスターズ』『ヘイトフル・エイト』の原点はここにあり。
続々と集う剣術の使い手たち、次第に一束になっていく彼らの思惑。そしてクライマックスの一大バトル!これは傑作。
荒野に佇む一軒宿屋のセットも素晴らしく、『キル・ビルVol.1』の元ネタもこのあたりか。
日本では、カンフー映画ブーム到来前の60年代末期に北海道でのみひっそりと公開され、ブーム到来後、「残酷ドラゴン」などという邦題を無理矢理つけられてリバイバルされた映画でした。
★★★★。
それにしてもちょっと謎なのは、2作とも、本編のストーリーとはあまり繋がりのない、不思議なラストショットで幕を閉じること。どうやら追加撮影されたように見えるのですが、明らかに本編とは浮いています。それが妙な味わいにもなっているのですが。
同監督の『侠女』だけは今回見られず。これは何としても見てみないといけません。
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