スティーブン・キングの同名ホラー小説を映画化した『IT ”それ”が見えたら、終わり』を見て来ました(例によって邦題の副題は蛇足)。
すでに90年代にTVドラマ化された作品ながら、全米では3億ドル近いメガヒットとなった異例の映画。子どもが主人公の映画には珍しくかなりどギツい残酷描写があり、万人に勧められる映画ではないですが、極めて王道で、いたって正統派のホラー映画です。
※ご注意!映画の内容に触れている記述があります※
【物語】
1988年。小さな田舎町に暮らす少年ビル(ジェイデン・リーベラー)は、幼い弟が行方不明になったことからトラウマを抱えていた。
1年後の夏休み、仲間たちと弟を探すビルは、異様なものを見るようになる。やがてそれは仲間たちの間にも広がり、紅一点の少女ベバリー(ソフィア・リリス)が浴室で大量の血が噴き出す現象に見舞われ、決定的となる。
街はずれの廃屋に手がかりがあると睨んだ少年たちは、そこで想像を絶する恐怖に遭遇する。
…激しく手ブレする映像や、細かいショットの積み重ねのような最近のホラー映画とは異なり、先述の通り、古き良き王道時代が再現されている作品です。シネマスコープでどっしり構えた構図も良く、ストーリーテリングも非常に丁寧です。主人公の子どもたちにも個性があるし、みんな良い演技です。
しかし、どこかおかしい。何かが異常。
まともな大人は誰一人として出てこないし、次々と町から子どもが消えていくのに警察は無能(しかも数少ない警官の1人は惨殺されているし)。リアルな日常生活の描写があるだけに、異常さが際立ち、やがてそれはクライマックスに向けて収束していきます。このあたりの空気感の醸成のしかたが実にうまい。
この映画がレジェンド級の傑作ホラーとして(自分の中で)殿堂入りするにはあと一歩ではありましたが、上出来でしょう。
続く第2章にも大いに期待できそうです(ただし同じ監督でやって欲しい)。★★★★。
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