エドガー・アラン・ポォの怪奇小説や詩を、ロジャー・コーマンが映画化した一連のシリーズの第6作『怪談呪いの霊魂』をDVDで見ました。
見ましたと言っても、実は以前に見ている映画(ポォ×コーマンDVD-BOXで所有)。
派手な『赤死病の仮面』や『恐怖の振り子』に比べると地味な作品なので、そのときはあまり記憶に残らなかったのですが、改めて見ると、これがなかなかの良作でした。
実はこの映画、エドガー・アラン・ポォ原作とうたっていますが、原作はラブクラフトの「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」です。
1963年製作のアメリカ映画。原題の"Haunted Palace”はポォの詩から取られていますが、100%ラブクラフトの映画化です。
【物語】
18世紀のニューイングランド。アーカムという小さな村で、黒魔術の疑いをかけられたジョセフ・カーウェン(ヴィンセント・プライス)が村人に焼き殺される。カーウェンは、村人に呪いをかけ、絶命した。
それから100年後のアーカム村に、カーウェンの子孫であるチャールズ・ウォード(プライス2役)が妻とともにやって来る。先祖の残した屋敷を相続したためだったが、屋敷の肖像画を見た途端、ウォードには死んだカーウェンの霊魂が乗り移る。蘇ったカーウェンは、自分を殺した村人の子孫を血祭にあげてゆく。
…と粗筋を書いてみると、ラブクラフトの要素は無いように見えますが、作品中にはちゃんと「ネクロノミコン」も「旧支配者」も登場します。
クトゥルフ神話の「いにしえの神」も、ほんの少しだけ登場しますが、そこはやはりロジャー・コーマン監督。上手にボヤけさせてはっきりとは見せません。
日本公開時のポスターを見ると、「顔なし女」や「一つ目小僧」「一寸法師人」などのおどろおどろしい語句が並んでおり、ちゃんと劇中にも登場しますが(字幕では”障害者”とだけ…)、旧ソ連製ホラーの傑作『妖婆 死棺の呪い』に登場する魑魅魍魎のようで、なかなかの怖さです。
ポォ先生もラブクラフト先生も、まさかこんな形で映画化されるとは夢にも思ってなかったでしょう。珍品ですが、セットも雰囲気もよく(雰囲気だけはポォ風)、何よりもビンセント・プライスの1人2役は見どころなので、今もって見て損は無しです。
★★★。
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