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2017年04月02日01:29

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公共事業超大作映画 『超高層のあけぼの』

『黒部の太陽』『富士山頂』と並ぶ、わが国が誇る高度経済成長公共事業超大作映画『超高層のあけぼの』のDVDを入手。見ることが出来ました。

公開された1969年の興行成績第2位を記録しながら、企業が製作した特殊映画ということで長年ソフト化がされず、完全版のフィルムが発見された2000年代に、ようやく陽の目を見た映画です。

(企業主体で作られ、今なお封印されている市川崑監督『鹿鳴館』はいつ見られるのでしょう…)

1969(昭和44)年、鹿島建設と三井不動産が協賛。東映により配給された超大作です。


【物語】
関東大震災の惨禍を目の当たりにして建築を志し、建築学会で名を馳せた古川教授(中村伸郎)が引退講演を行ったある日。鹿島建設の会長(佐野周二)が教授を訪れ、前代未聞の超高層ビルを建設するため、協力を要請する。前人未踏の大工事を予想した教授は協力を断るが、会長の熱意を受け、同社の副社長に就任。全高147メートルという、日本初の超高層ビルの建設が始まる。


…監督が教育映画・記録映画出身の関川秀雄であり、ほとんどドキュメンタリー・タッチのような作品で、自分のような特殊な好み(?)の観客でないと、上映時間2時間40分は耐えられないかもしれません。何せ『黒部の太陽』と違い、大事故や熱い人間ドラマはほとんど無いのです(安全に建設されて何よりですが…)。

当初の企画では、内田吐夢が関わっていたようで、『飢餓海峡』のキャスト・スタッフが参加しているのもその名残でしょう。内田吐夢版が見たかったというのが正直な感想です。

大御所・伊福部昭の音楽は、宗教的な女性コーラスを重く響かせ、怪獣映画のごとし。
映画的ドラマのない作品を、何とか盛り上げています。


出演陣にかけても不遇な作品だったようです。
同時期製作の日米合作『トラ・トラ・トラ!』に大物役者を引き抜かれ、『黒部…』の石原vs三船のような看板役者に欠けてしまったとのことですが(解説のブックレットによる)、池部良、佐久間良子、木村功、田村正和(若い!)など、主役級のスターがちゃんと出ています。

中でも嬉しいのが、小津映画の常連・中村伸郎の出番が多いこと。
関東大震災の惨状を見て、建築に生涯を捧げる老教授を好演しています。

山形から状況してきたとび役の伴淳三郎は相変わらずいい味を出してて絶品です。

反対に残念だったのが、丹波哲郎の出番の少なさ。
クレジットでは準主役級のような扱いですが(いつもそうだけど)、中村伸郎と2回ほど短いセリフを交わすだけ(しかもどうやらアドリブっぽい)。本編にも絡みなし。


基本的には「鹿島建設万歳!」な映画ですが、わが国のマイルストンとなる巨大構造物を作る映画に外れなし。大いに楽しんだ2時間40分でした。★★★★
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