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2016年10月10日02:21

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市川崑のスーパーハイスピード・コメディ 『結婚行進曲』

日本映画専門チャンネルでの市川崑監督特集が続いています。

ソフト化されておらず鑑賞困難な作品の放映が多く、ファンとしては非常に嬉しい限りです。

今日は録り貯めていた2作品をホームシアターで続けて見ました。


●『暁の追跡』 (1950(昭和25)年新東宝作品)

追跡中に容疑者を死なせてしまった若い警官(池部良)が、容疑者の遺族や同僚の警官から疎まれつつも、黒幕逮捕に向けて奮闘するという犯罪劇。市川崑にしては珍しい題材です。

警察幹部による原案を、新藤兼人が脚本化したもの。
真夏の新橋駅前交番を舞台に、警官といっても一市民である若者=池部良の苦闘する姿を活写したフィルム・ノワールです。

警察の全面協力を得て製作されていますが、映画の前半までは警察組織にかなり批判的な描写も見られ、完成した映画を見た警視庁は苦い思いをしたはず。しかし、今もって普遍的な題材であり、犯罪の犠牲になるのは常に弱者であるというメッセージが痛いほど伝わってきます。
★★★。


●『結婚行進曲』 (1951(昭和26)年東宝作品)

ある大手企業の幹部夫妻(上原謙と山根寿子)の生活に、クビになった社員と恋人(伊豆肇と杉葉子)の思惑が絡み、事態はどんどん思わぬ方向に。

エディ・マーフィーも真っ青の超絶マシンガントークが全編に渡って炸裂する、スーパーハイスピード・コメディの傑作です。まあそれにしても速い速い、セリフも速ければ展開も速い。愛だの感動だのを打ち出し過ぎる最近の邦画製作者は、この映画を勉強して反省すべし。

メタなギャグも随所に見られます。

映画館で上原謙が見る映画は、上原謙主演の『めし』。

企業に就職したヒロインの営業成績がアニメーションで画面に表示されると、スクリーンの上端にぶつかって下降する。

自分の役で実名で突然登場する越路吹雪、しかもとんでもない速さで衣装が変わる!等々。

暗い『暁の追跡』の1年後にこれほど能天気なコメディを撮っているというのが信じられません。
しかも面白い!上原謙のコメディアンぶりも最高です(バスター・キートンばりにほとんど笑わないのもいい)。★★★★。



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