日本映画専門チャンネルで、『植村直己物語』が放送されたので見ました。
1986(昭和31)年、東宝映画作品です。
【物語】
1960(昭和35)年、明治大学に入学した植村直己(西田敏行)は、山岳部に入部して登山に没頭する。モンブラン、マッターホルン、キリマンジャロなど、世界の名峰の単独登頂に次々と成功する直己だったが、大人数でのエベレスト登頂に疑問を抱き、南極横断への夢を抱き始める。
…実際に山に登るのは辛いのでしませんが、山岳映画は好きです。この映画も、ハイビジョン・マスターでの放送を待った上での鑑賞でした。
監督は佐藤純弥。『新幹線大爆破』『君よ憤怒の河を渡れ』『ゴルゴ13』、1970年代にこの佐藤監督が撮った大作群はどれも好きです。
キレッキレだったそれらの作品群に比べると、史実に忠実に撮らなければならない本作は、かなり落ち着いた作り。しかしそこは名職人監督、見せ場のバランスを熟知した巨匠です。非常に丁寧に作られた、映画の教科書のような作劇を見せています。
実際のエベレストにまでロケ隊を組んで撮ったという数々の雪山のシーンの迫力は相当なもので、『八甲田山』にも負けてはいません。CGとセット感が情けなかった最近のエベレスト映画(邦画)とは雲泥の差です。ここまでやらないと駄目なのです。
植村直己役には当初、作家の椎名誠が予定されていたと言われています。
それに比べると西田敏行とはずいぶん冒険したキャスティングですが、内面が熱い男を演じさせると右に出るものはいないでしょう。妻役の倍賞千恵子とともに、良いキャスティングでした。
”男にはやらなければならない時がある。理由は特にない!”…そんな男を西田敏行が好演しています。
★★★。
雪山を描く邦画新作『疾風ロンド』が間もなく公開されますが、撮影がショボかったら承知しません。
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