ネット開通までに書き込めなかった新作映画のミニ・レビューです。
●『リップヴァンウィンクルの花嫁』 ★★★
岩井俊二監督の3時間におよぶ大作。
ひどいやり方で離縁を申し渡された新妻(黒木華)が、風変りな便利屋(綾野剛)との出会いで新たな人生に踏み出すという物語です。
映画は2部構成のようで、前半は胸クソの悪くなる展開。清楚な黒木華が完膚亡きまでに叩きのめされる生き地獄が描かれ、見ていて辛くなること必至です。
自分の人生に今までいなかったユニークな人たちとの出会いを描く後半で、物語は昇華していきますが、前半の胃もたれ具合の半端なさがしんどいです。
後半のキーパーソンとなる女を演じるCocooの存在感が救い。悲しすぎる秘密を含めた題名に涙。
●『殿、利息でござる!』 ★★★
最近は殺伐とした映画ばかり撮っていた中村義洋監督の久々のコメディです。
負担に苦しむ仙台藩下の宿場町が、殿様に大金を貸し付けて利息を取るという前代未聞の作戦を打つというお話。
近作で時代劇コメディといえば、傑作『超高速!参勤交代』がありますが、あの作品ほどテンポは良くなく、”笑い”よりも”泣ける”要素に重きが置かれているのが残念でした。実話がベースで実在した人物が出てくるので、振り切れていない部分があったようです。
映画の舞台となった造り酒屋の現在の姿が出てくるラストカットが良かった。
●『完全なるチェックメイト』 ★★★
冷戦下、ソ連のチェス王者に挑んだアメリカのチェスの天才ボビー・フィッシャーの半生を描いた映画です。
天才がゆえに精神を病んでいく主人公=トビー・マグワイアと、冷徹に受けて立つソ連の名人=リーブ・シュライヴァーの対比が面白い。監督エドワード・ズウィックの職人技が光る佳作でした。
ボビー・フィッシャーは日本で暮らしたこともあるチェス界のレジェンド。日本での生活ぶりについても触れて欲しいところでした。
●『スノーホワイト 氷の王国』 ★★★
大ヒット作の続編にして、全米での興行収入では惨敗してしまったユニヴァーサル製ファンタジー。”白雪姫”の前日談を描く物語です。
筋肉マッチョな野生系好男子のクリス・ヘムズワースと、テロと戦うならまかせとけ!なジェシカ・チャスティンが主人公コンビなら向かうところ敵なし。復活したシャーリーズ・セロンとエミリー・ブラントが束になってもかないません。
最近はやりのヤング・アダルト要素も垣間見える残念作。
●『ルーム』 ★★★
ほぼ無名だったブリー・ラーソンがみごとアカデミー主演女優賞に輝いた衝撃作。
7年間もの長きに渡って小さな小屋に監禁されていた母と幼い息子が、決死の思いで脱出し、社会に復帰していくドラマです。
まあ、主演の2人の見事なこと。時に大声で罵倒しあい、時に全力で抱きしめあう、魂をかけたような芝居を見せます。本物の親子としか言いようのない生々しさがありました。息子役のジェイコブ・トレンブレイもアカデミー賞に値する名演技です。彼に演技をつけた監督も凄い。
監禁生活の惨さよりも、社会に出てからのさまざまギャップに苦しむ親子の姿が凄惨でした。
…『テラフォーマーズ』について書く気が失せてしまいました(笑)。
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