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2015年10月03日22:07

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和製リーグ・オブ・レジェンド映画 『屍者の帝国』

若くしてこの世を去った小説家・伊藤計劃の原作を映画化した『屍者の帝国』を見て来ました。
(正確には、伊藤計劃の未完の小説を円城塔が完成させた原作です)

伊藤計劃の作品を連続して映画化する”Project Itoh”の一環で、この映画のあとも『虐殺器官』『ハーモニー』の映画化作品が控えています(『虐殺器官』の公開は延期が発表されています)。

本作は、19世紀末〜20世紀初頭が舞台の冒険小説・SF小説の登場人物や、実在した人物が多数登場する、言ってみれば和製『リーグ・オブ・レジェンド』のような作品です。


【物語】
1878年のロンドン。
ヴィクター・フランケンシュタイン博士が確立した技術により、死者を蘇らせることに成功した社会。
魂や意志を持たず、ただ命令通り動くだけの死者は、戦争や産業を支える道具として重宝されていた。

医学生のジョン・H・ワトソン(声:細谷佳正)は、友人であり研究のパートナーだったフライデー(声:村瀬歩)を病死から蘇らせるが、個人による死者の再生が禁じられていたため、政府機関に発見され、諜報活動への協力を強要される。それは、フランケンシュタイン博士の失われた手記を発見せよというものだった。ワトソンはフライデーらと共に、手記と共に姿を消したロシア人を追ってアフガニスタンへと向かう。


…映画好きとして知られ、007シリーズの評論やパスティーシュも手掛けているという伊藤計劃だけあって、007シリーズへのオマージュが多数登場します。

ワトソンの上司となる政府機関のボスは”M”だし(秘書は”マネーペニー”!)、劇中登場する日本でワトソンと日本政府のエージェントが出会う場所は相撲の試合会場。007好きならニヤニヤのし通しです。

しかし映画の内容は暗く、そのテーマは「21グラムとされる魂の重みは実在するのか?それは再生可能なのか?」という点であるので、オマージュを楽しむ余裕はあまりありませんでした。

映画『イノセンス』で押井守が「セルロイドの人形に魂は宿るか」を描いているので、このテーマに免疫があれば問題ないですが、そうでなければ作品のハードさに胃もたれするかもしれません。
(余談ですが、伊藤計劃は『イノセンス』の批評も書いています。作品中に”ハダリ”という登場人物が登場するのはその影響かと)。

潜水艦ノーチラス号やエジソン博士までもが登場するのは詰め込み過ぎの感もあります。
それでも楽しく見られたので良しとします。

主人公がドクター・ワトソンであるということは、のちの相棒はあの稀代の名探偵ということになる訳で、最後にはちょっとだけその名探偵も登場するのがご愛嬌でした。
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