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2015年03月31日18:34

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演出力が映像に追いついていないのか、それとも… 『ジュピター』

『マトリックス』シリーズのウォシャウスキー姉弟によるSF大作『ジュピター』を見て来ました。


【物語】
シカゴで家族と清掃業の仕事をしているジュピター(ミラ・クニス)は、突然、異星人のような集団に襲われる。命を救ってくれたケイン(チャニング・テイタム)もまた異星人の傭兵だった。

実はジュピターの正体は、太古の昔から宇宙を支配してきた王朝の末裔であり、正統な王位継承者であった。王位をめぐる激しい争いに巻き込まれたジュピターは、さらに衝撃の真実を知る。


…シャープな脚本作『暗殺者』、スタイリッシュな犯罪劇『バウンド』、そして革新的だった『マトリックス』までが、ウォシャウスキー姉弟の全盛期と言ったら酷でしょうか。

収拾がつかなくなった『マトリックス リローデッド』と『マトリックス レボリューションズ』を経て、珍品『スピードレーサー』、まさかの『ニンジャ・アサシン』(※監督作ではない)、3時間の困惑大作『クラウド アトラス』、そして今回の『ジュピター』を見て思うことは、監督姉弟が繰り広げる映像が凄くて演出力が追い付いていないのか、もしくはその逆か?ということです。

まだSF短編集を読んでいるような味わいもあった『クラウド アトラス』にはいい点もありましたが、今回の『ジュピター』では、見たことのあるような映像と物語しかなく、拍子抜けしてしまいます。

宇宙の王位継承戦争といえば、『デューン』や日本の「銀河英雄伝説」にもその片鱗があるし、奇抜なセットや衣装が登場するSFには『フィフス・エレメント』もありました。『ジュピター』を見て感じた既視感は、それらの作品に起因するものです。

清掃作業員の女が、突如として宇宙王朝の末裔と知らされ、冒険の世界に飛び込んでいくという物語も古典的。古典が悪いと言っているのではなく、もうひと工夫欲しいというのが本音です。
異星人の末裔といっても、何か超絶的なパワーを秘めているとか、未知の力に覚醒するといった訳でもなく、基本的に右往左往するばかりというのは困ったものです。

しかし出演陣だけは一流でした。
主人公のジュピターに、『ブラック・スワン』でナタリー・ポートマンを圧倒したミラ・クニス。
彼女を救い出す宇宙の傭兵に、チャニング・テイタム。オオカミと人間のハイブリットという役ですが、鼻が利くという点以外の特性が見られなかったのは残念。

強大な力を誇り、王位継承を狙う悪玉に、今年のアカデミー主演男優賞に輝いたエディ・レッドメインが扮しています。

他、『007/ゴールデンアイ』の”006”ことショーン・ビーンも共演(見せ場が少なく無念)。

今が旬の若手スターの競演を見られたのは、数少ない救いでした。

★★★。


…米国ではコケで製作費回収不能になり、欧州とアジアの興行収入でかろうじて…という苦しい作品。スペース・オペラとしては、ディズニー×マーベルの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』が大ヒットしたのとは対照的な結果になっています。興行面でも批評面でも…。

スペース・オペラの王道にして本命『スター・ウォーズ/エピソード�� フォースの覚醒』の公開が待ち遠しいばかりです。
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