mixiユーザー(id:34218852)

2014年07月17日07:54

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動物物語(3) 緻密な人の断念

私のことを緻密だと言ってくれる人がいる。
そういう一面は確かにあると思う。
しかし、それは行動と思考の領域を限定しているからだ。
時に瞑想するのは精神を雑念から守るためでもある。

昭和天皇は雑草などないと言った。
あの人は分類学者。日本の国土に知られていない草はないことを熟知していた。
むろん私も知っている。雑念などというものはない。
ただ、論理をたどるためには、一筋に集中せねばならないのだ。

世界は広い。
多分、意識界の外には無限の世界が広がっているのだろう。
私の瞑想の力は、そこまで及ばない。
ただ、これまでに会った何人かの人に外の世界の存在を垣間見させてもらった。

人の命と力には限界がある。
私は自分の領域の探検を続けるだけだ。苦しいことの方がずっと多いが。
時には酒場で、他の探検家の話を聞くこと。
それが楽しい。

どんな人生もすべて探検だと思う。
誰もが冒険し、誰もが自分の寄って立つ基盤を持っている。
そこからくる多様な意識の光をできるだけ浴びてきたつもりだ。
議論はノーサイドとなり、私は我に返って自分の領域に戻るのである。

 作者注:この人物は、作者にとって、コナン・ドイルがシャーロック・ホームズのモデルにした化学の教授のような位置にあります。

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