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2022年08月18日12:09

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日本の心159〜現代に求められる武士道の精神

 今回から、平成期・令和期に入ります。

 武士道は、かつて日本精神の精華と称えられました。しかし、明治以降、徐々にその伝統は衰え、今日ではほとんど消え去ったかに見えます。
 こうした現代において、日本には武士道の復活が必要だという意見が、根強く存在します。
 俳優で武道家としても名高い藤岡弘氏は、あるインタビューで、若者に向けて、次のように語っています。
 「いまの日本人、とりわけ若者たちになにが欠けているのかと考えると、先達が残してくれた偉大なる精神文化・武士道こそが欠けているのではないかと思います。『武士道』とは、己を自己管理するための精神的・肉体的修行です。自己を管理するためにはまず、自己発見の旅に出る必要があります。それは、自分の目の前にあるどんな些細な出来事にも、ひとつひとつ真摯に取り組んでいく姿勢です。マニュアルなど存在しません。他力本願。そんな逃げ道も皆無です。
 やがてその修行は、自己分析の旅ヘとひろがっていきます。己の足りないところ、弱いところが見えてきます。『武士道』は、己の心身を強化し、我慢を重ね、調和をはかり、そして弱いものを守るための修行なのです」
 経済ジャーナリストで「第二海援隊構想」を推進している浅井隆氏は、次のように書いています。
 「武士道とは何か。私なりに解釈すると、それは自分を律するための『道』である。そのために死生観とか美学があった。そのような精神性が、いまの日本人にはいちばん欠けている」
 「現在に、まったく武士道が残っていないかというと、……阪神大震災などを見ても明らかなように、感情的にはならず、冷静に整然と秩序を守ってことにあたる精神がある。公徳心もまだ大分残っている。あれがアメリカだったら、大変な暴動に発展し、さまざまな事件が起きていたはずだ。やはり武士道は細々とではあるがまだ日本に生きているのである」
 「本当の意味の精神性の高揚がいまほど求められている時期はない。それこそ、武士道の復活に他ならない」
 東日本ハウス元会長の中村功氏は、次のように述べています。
 「(新渡戸稲造の)『武士道』に書いてあることは、大きく分けて二つあります。一つは克己を教えています。…欲望を抑え、辛いこと、苦しいことに耐え、自分を磨くこと…名誉を重んじ…勇気をもって悪と戦うこと…。二つ目は『公』のために生きることは立派なことだと教えています。…第3者のために役立つということ…明治の公は国家に尽くすということでした。…
 こう考えてみますと、なぜ明治時代に世界が日本を尊敬したのか、当然のごとく分かります。この二つを持っている人は世界中の人から尊敬されるのです。『克己』『公』のために尽くす人は、世界の人の目から見ても、立派な人なのです。この二つを日本人が完全に失ってしまったために、世界が今の日本を尊敬しなくなったのです。明治の人のように立派な人間、立派な日本人になろうということが今の時代に求められています…」
 最後に、作家で元・東京都知事の石原慎太郎氏は、世の父親や男性に向けて、次のように訴えています。
 「日本固有の文化があるようでなくなってしまった本質的混乱が到来しようとしている今の日本で、家庭を立て直し社会を立て直し、国家を立て直していこうという時にわれわれは、宗教などを超えて、われわれのごく近い先祖が尊崇し、評価し、憧れた武士道というものの本髄がなんであったということをもう一度考え直してみるべきではないだろうか。
 武士というのはやはり何よりも男だったわけですから、その武士の末裔の男として、自分の家庭の繁栄なり確立のために、武士道をいま改めて自分にどう取り込むかということをそれぞれの父親たちは素直に考えてみるべき時期に来ているのではないか」
 かつての日本人は高い精神をもっていました。その精神のよき表れが武士道でした。武士道を見直すことを通して、現代の日本人が忘れている、日本の精神文化を取り戻すことができるでしょう。

参考資料
・浅井隆著『大世紀末シンドローム』(総合法令)
・経営者「漁火会」の機関紙『漁火』平成11年12月1日号
・石原慎太郎著『父なくして国立たず』(光文社)

 次回に続く。

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