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2014年12月20日09:24

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アベノミクスの円安が中韓に衝撃を与えている〜田村秀男氏

 衆院選で、アベノミクスの是非が問われ、信任を受けた。選挙戦で野党は、様々な虚偽を並べてアベノミクスの批判をしたが、長年低迷していた株価が急上昇していることをはじめ、日本経済が力強く回復しつつあることは、明らかである。
 各種経済指標を平成24年11月14日と26年11月14日の間で比較すると、日経平均株価8,665円→17,490円と2倍に、東証1部時価総額251兆円→501兆円と2倍に、有効求人倍率0.82→1.09(9月)へと改善、就業者数6,278万人→6,366万人で88万人増と、株価は驚異的に改善し、雇用は大幅に改善している。
 ただし、この反面、CPI―0.2%→3.2%(9月)と物価が上昇し、名目賃金も上昇してはいるが、物価上昇に追いつかず、実質賃金指数84.0(9月)→80.3(9月)と低下している。野党の多くは、この点を誇張するが、これからデフレ脱却が本格化するに従い、名目賃金が上昇し続ければ、実質賃金指数も向上するだろう。
 日本企業の多くを苦しめていた円高は、急速に改善された。アベノミクスが打ち出された時には1ドル80円前後だったのが、2年で1ドル=120円をつけた。円安は、日本の輸出中心の大企業には追い風だが、多くの中小企業には輸入原材料の値上げとなるため、短期的な効果には正負の両面がある。ただし、長期的には日本経済が活力を発揮することによって、社会全体が繁栄に向かうことになる。
 円安は、国際的な影響ももたらす。アベノミクスによる円安は、中国、韓国に大きな衝撃を与えている。そのことについて書くと、円安の動因は、第1の矢「異次元金融緩和」である。日銀が資金を大量発行すると、ドルに対する円相場は下落が、中国は逆に人民元をドルに対して切り上げざるをえない。田村氏は、これには人民元を切り下げると中国の特権層の投機資金の多くが中国から逃避するという内部事情もあって、中国政府は人民を切り上げざるを得ないのだと説明する。そのうえ、このまま円安人民元高が続けば、賃上げ率が年二けたで上昇する中国に見切りをつけて、日本にUターンする企業が続出してもおかしくない情勢である。中国側は「高度な技術を持つ日本企業を何とかつなぎ留めないことには、将来が危うい」と田村氏は観測する。
 田村氏は、円安人民元高における中国経済を把握する指標として、鉄道貨物輸送量を取り上げる。田村氏によると「中国はGDPにモノが占める比率が5割程度と高い。そのモノの動きを代表する鉄道貨物は経済実態をかなり正確に反映する」という。そして、アベノミクス開始後、「円は急速に下がり続けるのに並行して、中国の鉄道貨物輸送量が急激に落ち込む傾向が顕著だ」と指摘する。
 韓国もまた円安によって打撃を受けている。それを端的に反映しているのが、日韓の対照的な株価動向だと田村氏は言う。「円安・ウォン高が電子・電機や自動車、鉄鋼など日本と競合関係にある韓国大手輸出企業の競争力を低下させるとの不安から、韓国株は低迷を続けている。それを尻目に日本株は順調に上昇気流に乗っている」と説明する。中国と同様、韓国も金融緩和でウォン安に誘導することのできない事情がある。「韓国への外国からの証券投資額はGDPの4割以上に達し、外資への依存度が高い。ウォン安は外資の韓国売りの引き金になりかねない」。それが「致命的な弱点」だと田村氏は指摘する。
 経済政策は本来、自国のために行うものである。田村氏は、これを「国際的な鉄則」だという。田村氏は、次のように主張する。「日本としては国内需要の拡大を通じて、中国や韓国の経済にも好影響を及ぼす結果を出すよう、粛々とアベノミクスを完遂するのみだ」と。
 わが国は、中国や韓国に経済的な打撃を与えるために、「異次元緩和」を行っているのではない。あくまで15年続いたデフレを脱却するために、大胆な金融緩和を行って衣類過ぎない。その結果として、打撃を蒙る国が出るのは、その国の経済事情によるものである。
 ただし、中国・韓国としては、予想外の衝撃をもたらしているアベノミクスをなんとか、やめさせようと躍起になって働きかけているところだろう。当然、先の衆議院総選挙では、親中・親韓の政治家・政党を通じて、アベノミクスは失敗だとか、危険だとか、生活が苦しくなった等との批判をさせ、アベノミクスにブレーキをかけ、さらには安倍政権を転覆させようと画策したことだろう。民主党や社民党等のアベノミクス批判には、こうした国際的な構図が背景にあるのではないか、と私は見ている。
 以下は田村氏の記事の全文。

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●産経新聞 平成26年12月7日

http://www.sankei.com/column/news/141207/clm1412070008-n1.html
2014.12.7 13:30更新
【日曜経済講座】
アベノミクスによる円安に対応できない中国・韓国、その衝撃度は重大 編集委員・田村秀男

 アベノミクスが打ち出されて以来、2年で1ドル=120円をつけた。回復基調の国内経済に比べ、海外への影響はどうか。調べてみると、隣国の中国、韓国への衝撃度はかなり大きいことがわかった。
 不況感が全土に広がっている中国をグラフで見よう。鉄道貨物輸送量というと、唐突かもしれないが、李克強首相が遼寧省共産党書記当時に米国の駐中国大使に向かって「GDPは人為的だが、鉄道貨物輸送データは信用できる」と推奨した。中国はGDPにモノが占める比率が5割程度と高い。そのモノの動きを代表する鉄道貨物は経済実態をかなり正確に反映する。
 アベノミクス開始後、円は急速に下がり続けるのに並行して、中国の鉄道貨物輸送量が急激に落ち込む傾向が顕著だ。輸送量は今年初め以来、マイナス基調が続く。円安・人民元高と中国景気不調がなぜ共振するのか。
 人民元は12月5日までの2年間で円に対して50%以上も上昇した。人民元高は中国の輸出競争力を損なわせる。製造業の新規輸出受注指数はこの11月で前年比2・1%減だ。日本企業は対中投資を削減し、他の生産をアジアへ移す動きも出ている。このまま、円安・人民元高が続けば、賃上げ率が年2ケタの中国に見切りをつけて、日本にUターンする企業が続出しておかしくない情勢だ。
 円安の動因はもちろん、アベノミクス第1の矢「異次元金融緩和」だ。日銀が資金を大量発行すると、ドルに対する円相場は下落する。中国は逆に人民元をドルに対して切り上げざるをえない。
 中国当局は外国為替市場に介入して、人民元を小刻みながら切り上げることで、外部からの資本流入を促している。中国本土にカネを持ち込む勢力の多くは中国の党官僚、国有企業など特権層で、大半は利殖目的であって愛国的ではない。人民元を切り下げると、こうした投機資金の多くが中国から逃避する。すると、不動産や株式相場は暴落する恐れがある。従って、習近平政権は汚職高官の不正蓄財資産の対外持ち出しを取り締まると同時に、人民元相場を引き上げざるをえない。中国は自身の制度と内部事情のためにアベノミクス相場に対応できないのだ。
 習政権が安倍政権との対話再開に動き出した理由の一端は、以上のような中国側の苦境にあるだろう。高度な技術を持つ日本企業を何とかつなぎ留めないことには、将来が危うい。
 一方、韓国の朴槿恵(パククネ)大統領はこのところ、円安の進行に神経をとがらせている。朴大統領は「(世界的に不透明感が強まっているため)株式市場を含む国内の資本市場ではボラティリティーが高まっており、輸出企業の利益が円安のために悪化する恐れがある」(ロイター通信の10月6日電)と述べた。さらに、韓国・中央日報の日本語ウェブ版11月17日付によると、朴大統領はオーストラリアで16日に開かれた20カ国・地域(G20)首脳会合で、「自国の状況だけを考慮した先進国の経済および通貨政策は新興国にマイナスの波及効果を及ぼす」と語り、日本の円安政策を暗に批判した。
 円安による打撃を端的に反映しているのが、日韓の対照的な株価動向である。円安・ウォン高が電子・電機や自動車、鉄鋼など日本と競合関係にある韓国大手輸出企業の競争力を低下させるとの不安から、韓国株は低迷を続けている。それを尻目に日本株は順調に上昇気流に乗っている。
 韓国も金融緩和でウォン安に誘導すればよいのだが、致命的な弱点がある。韓国への外国からの証券投資額はGDPの4割以上に達し、外資への依存度が高い。ウォン安は外資の韓国売りの引き金になりかねない。
 経済政策は本来、自国のために行うのが国際的な鉄則だ。日本としては国内需要の拡大を通じて、中国や韓国の経済にも好影響を及ぼす結果を出すよう、粛々とアベノミクスを完遂するのみだ。
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