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2014年12月05日10:45

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衆院選: 各紙予測で、自民が300議席を超す勢い

 衆院選の序盤情勢を巡って、読売新聞が3日、産経新聞、共同通信、朝日新聞が4日、自民党の獲得議席について、300を超すとの分析を報道した。民主党は伸び悩み、維新の党など第3極は低迷し、共産党が伸びるという見方が各紙に共通している。これら各紙の記事及び週刊文春の記事の内容を比較・編集して紹介する。

●読売・産経・共同・朝日の分析と予測

 全体的な状況について、読売は「自民党は、小選挙区選、比例選ともに優勢で、比例選で伸長が見込まれる公明党と合わせ、与党で300議席を超える勢いとなっている」「自公両党の公示前議席は324議席。今回、300議席を超えた場合、安倍首相(自民党総裁)の安定的な政権運営が続きそうだ」と書いた。産経は「自民党は選挙区、比例代表で優位に立ち、単独過半数(238議席)と安定多数(249議席)を大幅に上回り、300議席超を獲得する勢いだ」、共同通信は「自民党は小選挙区、比例代表で優位に立ち、公示前の295議席を上回る300議席超を獲得する勢いだ」、朝日は「自民は単独で300議席を超える勢いで、公明とあわせて定数の3分の2(317議席)を上回る可能性がある」と見ている。

 政党別にみると、自民党について、読売は「小選挙区選で200人近くが優位に立っている」「比例選では、前回衆院選で獲得した57議席を大きく上回り、70議席台となる勢い。全体で、絶対安定多数を超え、公示前の293議席確保もうかがっている」と書いた。産経は「定数295の選挙区のうち、前回(定数300)獲得した237議席より減少するものの220以上の選挙区で優勢だ。11ブロックの比例代表(定数180)でも前回獲得した57議席を大幅に上回り、過去最多の80議席超を獲得する勢いとなっている」と見る。朝日は「過半数(238議席)を大幅に上回り、公示前の293議席も超える勢い。小選挙区では、都市部でも好調で、前回2012年衆院選で獲得した237議席にほぼ並びそうだ。比例区では、12年衆院選で得た57議席を超え、現行制度で最多だった05年衆院選の77議席に迫る。12年衆院選で善戦した「第三極」が離合集散し、失速したため、自民が無党派層の受け皿になっているとみられる」とした。
 公明党について、読売は「小選挙区選に立候補した9人のほぼ全員が優勢なほか、比例選で伸長し、全体として公示前の31議席を上回りそうだ」と書いた。産経は「公示前の31議席から1〜2議席を上積みする可能性が出ており、与党が議席を増やす見通しとなっている」とした。朝日は、「小選挙区、比例区とも堅調で、公示前の31議席を確保しそうだ」と見る。
 民主党について、読売は、「公示前の62議席は上回る情勢だが、海江田代表が掲げた『3けた』の目標には届かない見通し」「公認候補を擁立した178選挙区中、優位に立っているのが13選挙区にとどまっている。都市部で自民党と接戦を繰り広げているが、抜け出せていない。比例選は、前回の30議席は上回るものの、伸びは限定的となっている」と書いた。産経は「海江田万里代表、菅直人元首相ら幹部級で苦戦している選挙区もあり、目標の100議席に届かない公算が大きい」「前回獲得の57議席から20議席程度の増加が見込めている。しかし、選挙区、比例ともに伸び悩み」「復調というにはほど遠い70議席台にとどまる可能性もありそうだ」と見る。朝日は「公示前の62議席から上積みするものの、伸び悩み、100議席には届かない公算が大きい」「小選挙区は北海道や愛知県などで議席を積み増し、公示前の25議席から10議席前後は増えそうだ。しかし、海江田万里代表(東京1区)はやや厳しい戦いを強いられるなど、復調しているとは言い切れない。比例区は公示前の37議席を上回るかどうか」とした。
 維新の党について、読売は「小選挙区選で優位なのが1けた台にとどまる。比例選は20議席台の情勢で、公示前の42議席には届きそうもない」と書いた。産経は「本拠地の近畿の選挙区を固めきれていない状態だ。比例では20議席超をうかがっている」とした。朝日は「公示前の42議席から後退、次世代も公示前の19議席から1ケタになりそう」「40議席を割り込む見通し。小選挙区は、地盤の大阪府も含め、不振で、公示前の13議席から1ケタに落ち込みそうだ。前身の日本維新の会は12年衆院選で比例区で40議席を獲得したが、今回、維新は30議席を割る可能性が出てきた」と見る。
 次世代の党について、読売は「小選挙区選と比例選を合わせても、1けた台に沈む見通し」と書いた。産経は「選挙区で2議席程度を獲得する可能性があるが、比例での議席確保の見通しは立っていない」とした。朝日は「熊本4区などで議席を維持しそうだが、比例区での議席獲得は微妙」と見る。
 共産党について、読売は「比例選で好調で、公示前の8議席からの倍増をうかがっている」「他の野党の候補が減る中、『非自民』票の受け皿となり、相乗効果で比例選が伸びそうだ」と書いた。産経は「比例で10議席以上が有望となってきた」と見る。朝日は「公示前の8議席から倍近く増える見通し」「比例区で00年以来の2ケタの議席獲得が有力になってきた」とした。
 その他の政党については、省略する。

 以上が各紙の内容の概要である。前回24年12月の総選挙では、新聞社の間でかなり予測が違っていたが、今回は各紙が似たような予測をしているのが特徴的である。

●週刊文春の分析と予測

 さて、私は近年、選挙のたびに週刊文春の予測記事に注目している。なかなかよい予測をしてきた実績があるからである。週刊文春は、本年12月11日号に「最終版は衝撃の結末! 全選挙区295完全予測」と題した記事を掲載した。文春の予測は、自民296、公明34、合計330という衝撃的な数字である。朝日は「自民は単独で300議席を超える勢いで、公明とあわせて定数の3分の2(317議席)を上回る可能性がある」と書いたが、文春は、3分の2を13議席も上回ると予測する。

 同誌11月13日号の記事では、自民は37議席以上減らすという厳しい結果を予測していた。それに比べると、今回の予測は劇的に好転している。予測内容を変えた理由を具体的に書いていないが、前回の記事は、野党候補の一本化が出来ず、かつ維新への追い風がやんだ大阪で自公が議席を増やせば、300議席超もありうる、と書いていた。野党の結集・調整が不十分で、また橋下共同代表、松井幹事長が国政選挙に出馬しなかったことが、自民に有利に働いているということだろう。

 さて、今回の文春の記事は、政治広報システム研究所代表の久保田正志氏と同誌編集部が当落予測を実施したもの。
 記事は、「浮かび上がってきたのは、ますます加速する『一強多弱』の構図だった」「自民一人勝ちで民主も思うようには伸びず、第三極は壊滅状態。その中で共産が存在感を高める」と書く。久保田氏の予測概況によると、自民党は現状維持、民主は微増だが、100議席には届かない。維新は激減し、逆に共産が倍増する。
 主な政党の予想議席数は、次の通り。

 自民 現有295→予測296(小選挙区238→213、比例57→83)
 民主    60→   81(小選挙区25→50、比例35→31)
 維新    42→   29
 公明    31→   34
 次世代   19→    6
 共産     8→   17

 この予測は、投票率を戦後最低となる55%と想定している。投票率がかつてなく低いので、組織や地方議員、強い後援会を持つ党が善戦し、無党派層の風で伸びてきた政党は壊滅する、と分析している。
 自民は、小選挙区では、議席を25減らす。久保田氏は、前回の衆院選は民主の評判が悪すぎたため、無党派層の大半が自民に入れたが、今回は無党派層が投票に行かないので、基礎票で勝っている民主の候補者がある程度議席を取り返す、と見る。
 記事は、民主は、党勢をやや回復するとはいえ、政権奪回を目指すには程多い。菅直人元首相は今回も小選挙区で勝てそうにない、とする。維新が激減する原因は、橋下徹大阪市長が松井一郎大阪府知事とダブル出馬をほのめかして、結局断念したことだ、と指摘する。次世代は、3分の1以下に大幅に減らす。田母神俊雄元航空幕僚長が東京12区で太田昭宏元国交相に、西村眞悟氏が大阪16区で北川一雄元国交相に挑み、次世代VS公明のガチンコ対決となる。予測ではともに公明が優勢だという。私見を述べると、憲法改正や国防強化等に消極的な公明の幹部を落選させ、自公を分断し、積極的保守の結集を図ろうという次世代候補者の果敢な挑戦である。今回の選挙における注目ポイントの一つになる。

●日本の運命を決める投票に行こう

 選挙戦は、これから中盤に入る。共同通信が3日に行った電話世論調査では、「まだ決めていない」との回答が選挙区で53・5%、比例代表で45・5%に上っていた。無党派層など投票先を決めていない有権者が多いことから、投開票日に向けて情勢が変動する可能性はある。
 安倍首相兼自民党総裁は4日、自身のフェイスブックで「各報道機関が与党が優勢と報道しているが、選挙は始まったばかり。油断した方が必ず負ける」と書いた。平成10年(1998)の橋本龍太郎首相の下での参院選に触れ、「選挙中、自民党大勝と報道され、結果大敗した」とも述べた。
 政治評論家の小林吉弥氏は、12月4日付のZAKZAKの記事で、自民、公明与党は、勝敗ラインである絶対安定多数(266議席)を確保するが、解散時の勢力は維持できず、40議席を失う。民主党は目標の100議席以上を達成する勢いを見せると予想する。自公両党で選挙区198、比例88の計286議席、民主党は選挙区67、比例49の計116議席という予測である。維新の党は「選挙区17、比例26の計43議席」で、解散時の42議席をほぼ維持しそうだと見る。小林氏の見方は、自民に厳しく、民主・維新に甘いが、こういう予測も、一方にはある。
 マスメディアの報道が与党有利と書くと、与党支持者の気が緩んで選挙に行かず、危機感を持った野党側が巻き返しを図る。逆に勝ち馬に乗れとばかりに浮動票が優勢な政党の方に流れたりもする。わずか数日で情勢が大きく変わることがある。それが選挙である。

 結びに、2週間ほど前に書いたことの繰り返しになるが、私は、官僚主導政治の維持ために消費増税を図る財務省の策謀に加担したり、財務官僚に踊らされているような政治家は、この機会に一掃したいと思う。また私は、わが国現下の最大の課題は憲法の改正と考えるので、政党を超えて、衆院3分の2以上へと改憲勢力の伸長を期待する。今回の選挙で衆院で3分の2以上確保できれば、28年7月の参院選で、憲法改正の国民投票を同時に行うというわが国の真の起死回生への道が開かれる。
 日本の運命がかかった選挙である。有権者は、日本の運命を決める選挙と認識して、みなで投票に行こう。総理大臣の一票も、われわれ国民の一票も同じ価値がある。うかつに投じることなく、じっくり考えたうえで、貴重な一票を国の進路に反映させよう。

関連掲示
・拙稿「衆議院総選挙〜安倍首相の決意と野党一本化の動きが激突」
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/77fdf78f6c2de6003f4cd3abf85782a6
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/0a24568959198cae84566369748d2615
・拙稿「今回の衆院選は、官僚主導の政治を脱却する好機」
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/f79045be4b7a47c894fdb6e7dec1fffb
・拙稿「衆院選:日本の運命を決める選挙になる」
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/872ca092cadf99a5a2bb1901059e0f20
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