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2014年11月20日09:37

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衆議院総選挙〜安倍首相の決意と野党一本化の動きが激突2

●先行的な選挙結果予測は自民に厳しい

 週刊文春11月13日号は、「12・14総選挙緊急予測」を載せた。予測記事を書くに当たり、文春は同誌のメルマガ読者を対象にアンケートを実施した。どの政党の候補者に投票するかを問うもので、1126人が回答した。結果は自民約53%、共産9.1%、民主8.5%、維新7.8%、次世代7.2%。他党は2%以下だった。
 記事は、基本的には「一強多弱」だが、前回の衆院選と比較して、二つのトレンド変化があるとし、「自民党への追い風が前回ほどではないこと」「維新の党を巡る状況の変化」を挙げる。
 今回の予測のポイントは、「民主、維新、みんなの党、生活の党の4党が候補を一本化する野党結集の成否が獲得議席を左右する」という点にあるという。
 そして、三つのケースを示す。現状は、自民党295議席、自民党・公明党合計で326議席である。
 第1のケースは、野党候補の一本化が出来なかった場合、自民は258議席、自公で289議席。野党候補の惜敗率80以上と仮定したもの。自民は37議席、自公でも同議席減らす。ただし、維新への追い風がやんだ大阪で、自公が議席を増やせば、300議席超もありうるとする。大阪は、橋下徹共同代表(大阪市長)、松井一郎幹事長(大阪府知事)が国政選挙に出るかどうかが、注目されよう。
 第2のケースは、野党結集が実現し、自民党に逆風が吹かない場合。自民は257議席、自公で288議席。第1のケースとほとんど同じ結果となる。野党4党の合計惜敗率は140%以上と仮定している。惜敗率とは、小選挙区における当選者の得票数に対する落選候補者の得票数の割合をいう。
 第3のケースは、野党結集が実現し、自民党に逆風が吹いた場合。自民は232議席。自公で263議席。現有から自民は63議席、自公でも同議席減らす。自公で過半数は維持できるが、自民は単独過半数を失う。野党4党の合計惜敗率は120%以上と仮定している。
 3つのケースを比較すると、今回の選挙で野党一本化ができれば、自民は過半数割れの232議席。野党分裂なら258議席。自民党はどのケースでも議席を減らすという予測である。
野党4党が結集しても、それだけでは与党が大負けすることはないが、野党が結集し、その上に自民党に逆風吹いた時に、与党は大敗する。逆風とは、記事によると、「今回の解散がスキャンダル隠しと批判を浴びたり、また実質賃金が上がらないなどアベノミクスの負の側面に有権者の関心が集まる」事態を意味する。
 記事の予測では、民主党が第1のケースは現有より25議席増の81議席へ、第2のケースは80議席へ、第3のケースは68議席増の94議席へ。維新の党が第1のケースは現有より6議席増の48議席へ、第2のケースは51議席へ、第3のケースは56議席へ。みんなの党は、第1、2のケースは現状とほぼ変わらないが、第3のケースは5議席増の13議席へ。他の政党は、どのケースでも現状とほぼ変わらない。それゆえ、野党4党の結集で利益を得るのは、民主と維新ということになる。

 次に、もう一つ別の予測について記す。11月12日のZAKZAKに載った記事によるものである。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20141112/plt1411121140001-n1.htm
 記事は、政治評論家の小林吉弥氏の予測を載せている。小林氏の予測によると、自民、公明与党で過半数(238議席以上)は維持するが、大幅に議席を減らす。現有の326議席から最大で62議席減らす。野党の選挙協力が進んだ場合、自民党は235議席にとどまり、単独過半数は維持できない。小林氏はいう。「景気回復の実感がないなか、国民の多くは『再増税の先送りは当然』と考えており、先送りを決めても選挙での追い風にはならない。12年の衆院選のような自公の圧勝にはならない」と。また小林氏は「民主党、維新の党、みんなの党、生活の党は、ドタバタにはなるだろうが、必ず選挙協力に入る。ただ、旗振り役がいないことと、時間不足がネックなので、どのくらいの選挙区で候補者調整ができるかは完全には読めない。野党第1党の民主、第2党の維新が約30選挙区で競合しており、どこまで調整が進むかが焦点となる」という。
 協力が順調に進んだ場合、民主党(現有議席56)は90議席に躍進する。他の3党も、維新(同42)が40議席、みんな(同8)が10議席、生活(同7)が8議席を獲得し、ほぼ現状勢力を維持できる見通しという。
 小林氏は、2年前の衆院総選挙の3週間ほど前の予測で、自民は220議席。単独過半数にとどかず、自公で248議席の過半数、民主99議席、維新60議席と、自民に厳しく、民主・維新に甘い見方をしていた。結果は、自民党が294議席で圧勝し、単独で絶対安定多数を超えた。民主党は57議席と惨敗した。日本維新の会(当時)は54議席だった。今回も小林氏は、自民に厳しく、民主に甘い予測をしている。
 当時、週刊文春は、政治広報システム研究所代表の久保田正志氏と同誌取材班による予測で、自民244議席で単独過半数、自公で270議席の絶対安定多数、民主86議席、維新64議席と書いた。小林氏より、実際の結果に近い予測をした。

 今回の衆院総選挙について、1か月前の段階での2つの予測について書いた。予測は予測である。また1か月の間に、どういう風が吹き、世論がどう変わるか分からない。

●安倍首相は日本再建の決意を訴え、国民は賢明な選択を

 先に引いた2つの先行的な選挙予測は、ともに民主党が大幅に議席を伸ばすと予想している。だが、消費増税を決めたのは、民主党政権だった。民主党は、尖閣奪取をもくろむ中国に対し、友愛の幻想を振るまいた。東日本大震災の対応で無能力をさらし、国民を不安のどん底に陥れた。今国会では法案審議よりも、うちわやSMバーなどのスキャンダルによる与党攻撃に終始した。アベノミクスを超える代替案を示していない。こうした政党になお期待を寄せる国民がどれだけいるだろうか。民主党が大幅に議席を伸ばすという予測は、はなはだ疑問である。
 みんなの党の議席が伸びるという予測も示されたが、同党は渡辺喜美氏を中核とする政党である。同氏が不正献金の疑惑に「熊手を買った」というわけのわからぬ説明をして、信用を失った。その渡辺氏との意見対立から江田憲司氏が維新の党に移り、渡辺氏が代表を辞任し、迷走を続けた果てに、今や解党に向かっている。個々ばらばらに民主、維新等へ合流するだろう。
 今回の選挙戦で一大焦点となりそうな大阪については、仮に橋下氏と松井氏がともに小選挙区で立候補した場合、大阪の市長と府知事がそろって責任業務を投げ出して国政に出るような政党を支持する有権者がどれだけいるだろうか。橋下氏について、私は政治家としての資質や政策の立案・遂行能力を疑ってきたが、彼に過剰な期待を寄せる風は、既に吹き止んでいる。
 だが、多くのマスメディアは、これから安倍政権を引きずりおろそうと、ネガティブ・キャンペーンを行い、有権者の意識を操作しようとするだろう。

 安倍首相に勝算はあるのか。勝算がないなら、解散総選挙は、やらないだろう。いまやって、議席を減らすような選挙なら、敢えてするのは自傷行為でしかない。首相は9月の内閣改造で一部人事で失敗した。就任後、初めての目立った判断ミスだった。ここで軌道を修正し、的確な判断力を取り戻す必要がある。
 私としては、消費増税先送りによるデフレ脱却優先は当然であり、財務省の策謀に加担したり、踊らされているような政治家は、この機会に一掃したいものである。与党の議席獲得目標は絶対安定多数となる266議席以上と伝えられる。わが国現下の最大の課題は憲法の改正と考えるので、政党を超えて、衆院3分の2以上へと改憲勢力の伸長を期待する。
 この点に関しては、産経新聞の阿比留瑠比記者が、19日付の記事で次のように書いた。
 「安倍晋三首相が消費税再増税を先延ばしし、衆院解散・総選挙の断行を決めたのは、大目標である憲法改正に向け、できるだけ議席を失わずに済むタイミングは今だと考えたからだ。『憲法改正を考えると、自民党の衆院議席を20〜30議席も減らさずに、現在の294議席を可能な限り維持できるタイミングを計りたい。まさに勝負だ』 首相側近は10月下旬、周囲にこう語っていた。憲法改正の発議には、衆参両院で3分の2以上の賛成が必要となる。あと2年余りの衆院任期中に、必ず選挙を迎えなくてはならないのだから、議席確保に有利な時期を選ぶのも当然である」と。
 安倍首相の最大のテーマは、憲法改正である。安倍首相が解散権を発動するとき、憲法改正のための議席確保を考えないはずはない。集団的自衛権の限定的行使、安全保障のダイヤモンド構想等を進めながら、まずデフレを脱却し、最大テーマの憲法改正を成し遂げる。それが安倍氏の計画だろう。
 今回の総選挙は、安倍首相が日本再建の決意を国民に共有化しえるかどうか、またこれを阻もうとする野党の一本化の成否が結果に大きく影響するに違いない。単に安倍政権の命運だけでなく、日本の命運の掛かった選挙となるだろう。国民は、そのことを自覚し、30年、50年後の日本と世界を見据えて、賢明な選択をしたいものである。(了)
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