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日記一覧

永千絵著『父「永六輔」を看取る』(宝島社)読んだ。この本は、昨年7月になくなった永六輔さんの闘病と娘の千絵さんら家族の介護の記録である。永さんの人柄が偲ばれるともにご家族の暖かさがそこかしこに感じられる本だった。また介護に関するさまざまなサ

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以前に買い置いていた上原善広著『差別と教育と私』(文藝春秋、2014年3月刊)読んだ。この本を買ったのは、以前橋本徹大阪知事(当時)の出自をめぐっての「週刊朝日」の佐野眞一の連載(第1回で中止された)に関する雑誌等での様々な論評のうち著者の

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引き続き上原善広著『日本の路地を歩く』(文藝春秋、2009年12月刊)読んだ。実は丁度『路地の子』を読んでいたとき、本の山が崩れ、この本が出て来たのだ。なんとグッドタイミング。この本は日本の「路地」(被差別部落)を訪ねて歩いた本でる。私は昔

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上原善広著『路地の子』(新潮社)読んだ。著者は被差別出身のルポライターで、この本は彼の父・上原龍造氏(彼は解放同盟とは別の同和会系の組織に属し、食肉業を生業として生きた。)の生涯を辿り、その帰結を著者の自分史と重ねて叙述した、自伝的ノンフィ

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宮澤佳廣著『靖国神社が消える日』(小学館)を読んだ。買うのを迷ったが、結局タイトルに引かれて買った。著者は元神社本庁幹部、元靖国神社幹部で、退職後國學院大学兼任講師で、靖国神社の国家護持(靖国の「公共性」云々と著者は言う)論者である。著者は

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ルシオ・デ・ソウザ、岡美穂子著『大航海時代の日本人奴隷/アジア・新大陸・ヨーロッパ』(中公叢書)を読んだ。大航海時代(日本の戦国時代、豊臣政権時代に当たる)、ポルトガルの貿易圏がインド(ゴア)、フィリピン(マニラ)、中国沿岸部(マカオ)、日

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「ハイドリヒを撃て/『ナチスの野獣』暗殺作戦」(ジョーン・エリス)を見た。イギリス・チェコ・フランス合作映画で、監督はイギリス人。ドイツに占領されたチェコを支配するのは、ヒトラー、ヒムラーにつ次ぐライン・ハルト・ハイドリヒ。チェコはその過酷

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池上英洋著『美しきイタリア 22の物語』(光文社新書)を読んだ。前著『イタリア 24の都市の物語』(同新書)に引き続くもので、どちらもNHKイタリア語ラジオ講座で話された内容に加筆されたものである。私も池上さんのラジオ講座が好きで聞いたこと

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堀川惠子著『戦禍に生きた演劇人たち/演出家・八田元夫と「桜隊」の悲劇』(講談社)を読んだ。本書は「週刊現代」の書評欄で知り、すぐ買い求めた。この本を読んでみたい理由があった。ここに描かれている新劇人・丸山定夫の原爆死については、1982年に

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「夜明けの祈り」(アンヌ・フォンテーヌ)を見た。フランスとポーランドの合作映画で、監督アンヌ・フォンテーヌの映画はココ・シャネルの半生を描いた「ココ・アヴァン・シャネル」を見たことがある。映画は1945年のポーランドで実際に起こった事件をも

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西村京太郎著『十五歳の戦争/陸軍幼年学校「最後の生徒」』(集英社新書)を読んだ。推理小説家西村京太郎の戦争体験記だ。私は西村作品はテレビの放映で知る程度で、原作は読んでいない。西村が陸軍幼年学校の「最後の生徒」(1945年4月から敗戦まで)

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「メアリと魔女の花」(米村宏昌)を見た。スタジオジブリ制作部門が解散し、ジブリの作画スタッフたちがあらたにスタジオポノックというプロダクションを作り、その第1作がこの作品だ。宮崎駿が引退後、ジブリのスタッフがどのようなアニメを作り出すが関心

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中原佑介著『カ一九三〇年代のメキシコ』(メタローグ、1994年5月)を読んだ。この本は以前に読んでいた本だが、メキシコから帰って、読み直した。メキシコの1930年代の壁画運動から始まり、トロッキーのメキシコへの亡命、トロッキー襲撃事件、トロ

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帰国後始めた見た映画はアイスランド映画で、「ハートストーン」(グズムンドゥル・アルナル・グズムンドソン)だった。アイルランドの漁村を舞台にソールとクリスチャンを中心に描かれる思春期の性の目覚めと葛藤が描かれる。実にしっとりと味わい深い青春の

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メキシコ旅行中に富恵洋次郎著『カウンターの向こう8月6日/広島 バー・スワロウテイル「語り部子会」の4000日』(光文社)を読んだ。広島市内で経営するバー「スワロウテイル」のバーテンダーである著者が2006年より毎月6日に、被爆者を招き、そ

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原田マハ著『サロメ』(文藝春秋)を読んだ。私は原田マハを最初に知ったのはラジオの朗読(NHK「ラジオ文芸館」)だった。その朗読作品は「無用の人」で、その作品は『あなたは、誰かの大切な人』(講談社)所収の1編だった。それ以来、美術館のキューレ

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内田洋子著『ボローニアの吐息』(小学館)を読んだ。タイトルとなった表題作品を含む15の短編が収められており、いつもながら作者のイタリアの歴史、風土、その上に生きるイタリア人の人間模様、作者の人間に対するやわらかな視線に感動する。たとえば、冒

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「ミルピエ/パリ・オペラ座に挑んだ男」(ティエリー・デメジエール・アルバン・トゥルレー)を見た。私は定年後、立命大の非常勤講師でずっと南草津(びわこキャンパス)まで行ってきたが、今年から南草津以外に前期に衣笠キャンパス(京都市内で等持院の近

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イランの劇映画「セールスマン」(アスガー・ファルハディ)を見た。主人公夫婦(シャハブ・ホセイニ、タラネ・アリドゥスティ:この二人の役者がいい!)の所属する劇団はアーサー・ミラーの「セールスマンの死」を公演しているが、それと同時進行である事件

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高橋順子著『夫・車谷長吉』(文藝春秋)を読んだ。私は車谷長吉原作の映画「赤目四十八滝心中未遂」(荒戸源治郎監督、寺島しのぶ主演)を見たのをきっかけに、原作『赤目四十八滝心中未遂』と『忌中』他(この他がなんだったか忘れた)を読んでいて、この本

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長坂道子著『難民と生きる』(新日本出版)を読んだ。この本は図書館の新入荷本のコーナーで偶然見つけた。著者は外国暮らしが4半世紀になり、現在はスイスのチューリッヒに住み、チューリッヒから電車に乗ってドイツに出向き、難民支援に取り組む支援者9人

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一ノ瀬俊也著『戦艦武蔵/忘れられた巨艦の航跡』(中公新書)を読んだ。一昨年、戦艦武蔵がフィリピン海底で発見された。当時武蔵が撃沈された状況を分析したNHK特集が放映され、著者も出席され、コメントされていた。戦艦武蔵は1942年に完成し、44年

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カロリーナ・コルホネン著(柳澤はるか訳)『マッティは今日も憂鬱/フィンランド人の不思議』(方丈社)を読んだ。たまたま見つけたフィンランドの絵本(マンが)だ。フィンランドについては「学力問題」が話題になった一時、フィンランド人の「総合的な学力

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余裕ができたので気晴らしに「家族はつらいよ2」(山田洋次)を見た。撮影所育ちの老練な監督はもう山田洋次しかいなくなったな。安心して見られる。前回は「熟年離婚」がテーマだったが、今回は「無縁社会」。没落して独居老人で、主人公(橋爪功)の高校時

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水野和夫著『株式会社の終焉』(集英社新書)を読んだ。水野氏の著者『資本主義の終焉と歴史の危機』と『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』(いずれも集英社新書)との間に書かれたもので、資本主義の終焉との関連で「株式会社の終焉」を論じている。「本

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この間、体調不良とパソコンに故障で休んでいましたが、再開します。その間に読んだ本は次の2冊です。シリア内戦がどのような実態になっているのか知りたくて、青山弘之著『シリア情勢/終わらない人道危機』(岩波新書)を読んだ。あまりにも悲惨で絶望的な

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資本主義の終焉を論じた前著『資本主義の終焉と歴史の危機』(集英社新書)に続く、水野和夫著『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』(集英社新書)を読んだ。イギリスのEU離脱、アメリカでのトランプ大統領の登場、フランスの大統領選挙での国民戦線の浸

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高村薫著『作家的覚書』(岩波新書)読んだ。福島原発事故、安保法制の成立等日本社会が大きく変動した2014年から16年までの時評集と講演録が収められている。「作家的覚書」とあるように社会・政治の動きを「言葉」として捉え返し、危機の本質を見据え

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せっかくの鈴木清順特集だから、もう1本見ておこうと思い、「けんかえれじい」(鈴木清順)を見た。以前に見た時の記憶があいまいだった所がはっきりした。主人公キロク(高橋英樹)は旧制の岡山の中学校から会津の中学校へ(それも会津では辺境である喜多方

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イラン映画「人生タクシー」(ジャファル・パナヒ)を見た。ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞したことと監督がタクシー運転手に扮して撮った映画ぐらいの予備知識しかなくて見たので、見てびっくり、見当違いだったことを反省させられた。イランの表現弾圧体

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