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2017年09月13日07:38

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book『路地の子』(上原善広)

上原善広著『路地の子』(新潮社)読んだ。著者は被差別出身のルポライターで、この本は彼の父・上原龍造氏(彼は解放同盟とは別の同和会系の組織に属し、食肉業を生業として生きた。)の生涯を辿り、その帰結を著者の自分史と重ねて叙述した、自伝的ノンフィクションノンである。「路地」とは被差別部落を指している。私は現職の時、被差別部落を校区に持つ学校に長らく勤めた。またこの本の更池地区には先輩教師が住んでいたことがもあり、若い頃によむ泊めてもらったなつかしい場所である。「私たちは、どこに住もうが更池の子であるということだ。(中)かって路地がなくなれば、人に蔑まれることもなくなると考えらた時代もあった。(略)しかし逆説的なようだが、更池の子らが故郷を誇りに思えば思うほど、路地は路地でなくなっていくのではないだろうか。」( 「おわりに」)非常に読み応えのある本だった。著者の本は他に『日本の路地を旅する』(文藝春秋)、『差別と教育と私』(文藝春秋)がある。
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