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2017年09月17日21:50

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book『日本の路地を歩く』(上原善広)

引き続き上原善広著『日本の路地を歩く』(文藝春秋、2009年12月刊)読んだ。実は丁度『路地の子』を読んでいたとき、本の山が崩れ、この本が出て来たのだ。なんとグッドタイミング。この本は日本の「路地」(被差別部落)を訪ねて歩いた本でる。私は昔、被差別部落史に興味があり、熱心にその本を読んだことがあった。著者が訪ねた「路地」は新宮(プロローグ)、大阪(ルーツ)、青森・秋田(最北の路地)、東京・滋賀(地霊)、山口、岐阜(時代)、大分・長野(温泉巡り)、佐渡・対馬(島々の忘れられた路地)鳥取・群馬(孤独)、長崎・熊本(若者たち)、沖縄(血縁)と広範囲、多岐に亘る。実に興味深い本だった。圧巻は終章の沖縄(私の京太郎)だった。沖縄には部落はないのだが、沖縄芸能「京太郎」は日本からもたらされたもので、その淵源と現在を探り、あわせて訳けあって沖縄に逃げた「兄」を訪ねる旅である。「各地の路地を訪ね歩くこと、少しずつ自分の心の中で傷つき途切れた糸をつむいでいたのだろう。路地の歴史は私の歴史であり、路地の悲しみは、私の悲しみである。私にとって路地とは、故郷というにはあまりに複雑で切ない、悲しみの象徴であった。」(「終章」)
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