mixiユーザー(id:24322169)

2017年09月20日11:22

102 view

book『差別と教育と私』(上原善広)

以前に買い置いていた上原善広著『差別と教育と私』(文藝春秋、2014年3月刊)読んだ。この本を買ったのは、以前橋本徹大阪知事(当時)の出自をめぐっての「週刊朝日」の佐野眞一の連載(第1回で中止された)に関する雑誌等での様々な論評のうち著者の論評がひと味違っていて興味を持ったことによる。この本は、松原市更池地区に生まれ、小学校で「部落解放教育」を受けた体験から始まり、中学校で「部落民宣言」をした体験を対象化しつつ、90年代以降なぜその教育が崩壊したのか問いかける。私は現職教員だった時、14年間「同和教育推進校」(小学校10年、中学校4年)に勤めた。現在の地点から顧みると、功罪のうち罪の方が多いのではないかと思うので、著者の現時点から捉え返した本書の内容は納得のいく所が多かった。この本で特に関心を持ったのは、「兵庫・八鹿高校事件顛末」「広島・世羅高校事件の転機」だった。当時認識できなかった様々な問題が著者の執拗なルポルタージュにより浮き彫りにされる。実に真摯な本だった。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する