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2017年08月11日20:56

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book『一九三〇年代のメキシコ』(中原佑介)

中原佑介著『カ一九三〇年代のメキシコ』(メタローグ、1994年5月)を読んだ。この本は以前に読んでいた本だが、メキシコから帰って、読み直した。メキシコの1930年代の壁画運動から始まり、トロッキーのメキシコへの亡命、トロッキー襲撃事件、トロッキー暗殺事件を軸にメキシコに関わったさまざまな画家、文化人、政治家が走馬燈のように交錯して叙述されたこの本は実に名著だと思った。(ただなんとも残念なのはこの本を出した出版社は今はなく、絶版だといことだ。文庫にもなっていない。)いくつか興味深いところを紹介するとディエゴはトロッキー主義に立ち、シケイロスはスターリン主義者の立場に立っていたこと、戦後ディエゴは復党するために過去の考えを否定し、シケイロスは党員でありながら社会主義リアリズムを批判する側に移行するというなんとも皮肉な人間模様を見せる。ディエゴとカーロの関係では、ディエゴは女性問題に乱脈で、カーロの妹と関係を持ち、カーロをひどく苦しめたとのことだ。ディエゴの壁画の評価とは別にディエゴのmachismo(マチスモ)は好きになfれない。またこの本ではトロキー暗殺はスターリンが差し向けた刺客だったことが解き明かされる。(図書館にはあると思われるので、おすすめです。)
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