貧しさの中で生きる女性達が、罪を犯してでも生き抜こうともがく物語。
英語のタイトルは "Sisters in yellow."
読みやすくて面白いのではあるが、
リアルさに息が詰まるような長編だった。
世紀末、東村山で母と2人暮らしの 花 は、アルバイトに励む高校生だった。
が、あるきっかけから母の友人⋅黄美子と三軒茶屋で同居するようになる。
年齢を誤魔化し、黄美子とスナックを営んでいると、
同年齢の蘭、桃子も加わり、ほどなく4人は同居を始めるのだが…
三流ドラマばりの不幸に見回れる花、
頼れるものはお金だけ、となって行く。
親に恵まれず、肩を寄せ合うように水商売に就く十代、
彼女達を支えるようでいて、実は支えられている黄美子、
次々とエスカレートする危ない仕事を持ってくる大人。
追い詰められても頑張る花は、とても痛々しく見える。
利己的でどうしようもない母親を持つ、
早熟な娘たちの奮闘記ともいえる。
が、後味はあまり良くない、
という点で、この作家は上手な書き手なのだと、改めて感心した。
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