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2024年05月18日20:30

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「貧乏ピッツァ」ヤマザキマリ著(新潮新書)

著者の貧乏留学生時代を時折振り返りながらも、
日伊ばかりでなく、長期滞在先の南米や中東までもを含めた
グローバルな食に関するエッセイ集。
とても読みやすいし、 勉強にもなった。

ヤマザキマリが大好きなのは、蜂蜜。
その解説は深くかつ個人的で大変興味深い。
また、後半には、自分の食に関する生い立ちを披露。
若くして親の反対を押しきり結婚した母が、
早くに夫を亡くしてシングルマザーとなり、
その影響で、決して豊かな食生活は送って来なかった。

驚いたのは、牛乳比較論。
イタリアでは日本のような生乳から作られたフレッシュなものは、あまり飲まれない。
だから、イタリア人の夫(14歳年下)は、日本の牛乳が美味しいと言う。
そこから、日本の牛乳が一番、みたいな持論が出るが、
酪農国オーストラリアで計4年ほど生活した私としては、
そこは大いに反論したい。

が、北欧のリコリスをベースにした飴のまずさに関しては、
オーストラリアのリコリスを思い出し、ヤマザキ説に大いに賛成できた。

さらに、飴に関する章では、イタリアで出産した際の凄絶なエピソードが明らかになる。
日本の出産経験者にとってはあり得ないような酷な話で、
苦労人ヤマザキマリの真骨頂とも言えそう。

サクサク読んで、時々フフフと笑えて、
ヘーエと感心しつつ、終わってみれば、知識が増えた。
さすが"新書"





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