「あさとほ」新名智著

「あさとほ」という物語をめぐる長編、まあ面白かった。

長野県の小さな町、双子の姉妹夏日の妹青葉が、廃屋の中目の前で消えてしまう。
一緒にいた明人と、長年探すことになるが、
周囲の大人は青葉を最初からいない者としていた。

歳月がたち、大学文学部の三年となった夏日の周囲に不穏な動きが起こる…

オカルトとまでは行かないファンタジーなのだが、
古典文学の知識のある著者の、存在が確定できない物語についての詳述が好ましい。
また、就活や大学院進学に悩む女子達の様子もリアルで良かった。