mixiユーザー(id:7990741)

2023年10月25日20:58

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「陽だまりの果て」大濱普美子著

第50回泉鏡花文学賞受賞の短編集。
帯に「懐古と眩惑に彩られた幻想譚」とあるが、
確かに、夢か現かという話が多い。
そして死の匂いがしたり、故人を懐かしんだり、
大人向けお伽噺集、と言えなくもない。

殆どが中高年の物語で、どちらかというと哀しい展開。
それでも一つ読み終わると、で、次は?
と進みたくなるところが、さすが受賞作家。

「骨の行方」という、高齢女性の友情物語が特に気に入ったけれど、
最後の「バイオ⋅ロボ」は近未来のディストピア物語で、
他の作品とは異質な読み触りで、
これが入ったから、作者の力量が感じられて、良かった。

読書好きの友人が勧めてくれなかったら、多分読まなかっただろう。
彼女に感謝。
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