「栞と嘘の季節」米澤穂信著

高校の図書委員男子２人と、誰もが認める美しい女子高生の、探偵もの。
危うい年頃の若者達の活躍について行くと、
東京都下の高校生の生活ぶりが伺えて面白い。

でも、この作家にはもっと多くを期待していたから、
少しばかり空振りな感じを持った。

堀川と松倉はクラスは違うが図書委員バディ。
ある日返却された本から、曰くありげな栞が出てきたところから、
事故か殺人未遂かというほどの事態が展開して行く。
怪しいのは、その栞を求めて全力で挑んできた
抜群に美しい瀬野。
彼ら３人の、「犯人」探しが学校を超えて展開する。

行き着いたところは、この上なく怪しい廃墟、
だけど多くの謎ーーこんな暮らしぶりの男子高校生、特に松倉の家庭は、一体どうなのよ？ーーは、明かされぬまま、
オバサン読者としては、ややスッキリしないままに読了した。