私にはピッタリはまって、とても面白かった。
この作家のデビュー作なのだけど、地元を描いているためか、
個性的な登場人物達が、とても伸び伸びと躍動している。
発端は、滋賀県の西武デパートの閉店、
その事が地元民に与えるショックの有り様が
主人公を中心に、リアルに描かれるのだが、
ヒロインの女子高生成瀬あかりの悲しみ方が最高に可笑しい。
彼女の人物像が強烈なのだが、淡々と表され、
そのあまりの個性に読み手は笑いを禁じ得ないだろう。
しかし話が進んでいくと、真っ直ぐな彼女にしっかり寄り添う友だちも、
大層好ましくなってきて、彼女達を心から応援したくなってくる。
明るくて楽しい読書だったが、決して軽々しいオチャラケではない。
「強烈」な個性と友情の、若くて清々しい一冊。
ログインしてコメントを確認・投稿する