作者の母校⋅恵泉女学園の創始者である河井道の生涯を描いた長編。
読みごたえがあるが、読みやすかった。
明治から大正、昭和を、信念を貫いて、
独立したクリスチャンの女子校を創ろうと奔走するヒロイン。
津田梅子に師事し、新渡戸稲造ら日本人のみならず、
留学先のアメリカ人らの支援を受けて、
外国の教会の女子校としてではなくて、独立した女子校の創立を目指す、
その姿は、時に無鉄砲、大胆でありながらも好ましい。
また、有島武郎や大山捨松、さらには村岡花子と白蓮、市川房枝や白州次郎らまで
その時代の著名な大物らと、
フィクションだとしても、さもありなん、という会話が面白かった。
巻末のおびただしい参考文献をながめ、ヒロインらだけでなく、
作者自身の奮闘ぶりに感心して読了した。
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