デトロイト市の財政破綻により、存続が危ぶまれた美術館の再生という史実に基づいた小説。
短いが、とても面白かった。
原田ワールドを存分に楽しめた。
この著者が選んだ画家、今回はセザンヌ。
デトロイト美術館所蔵の「画家の夫人」というセザンヌの妻の肖像画がキーとなっている。
その絵画をこよなく愛したデトロイター達ーー貧しい溶接工から富豪の絵画コレクターまでーーの物語が
それぞれ独立しながらも見事にまとめられ、そして奇跡が・・
デトロイト美術館展が東京にやってきた時、私はゴッホ目当てに見に行ったのだが、
行く前にこの小説を読んでいたなら、もっと楽しめただろうな。
(ただ、セザンヌに関しては、今年のロンドンナショナルギャラリー展で、りんごのある静物を鑑賞していたから、良かったけど)
叶うならば現地デトロイトを訪れてみたい気になった。
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