mixiユーザー(id:7990741)

2020年05月25日15:15

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「星の子」今村夏子著(朝日文庫)

はらはらワクワクはないが、引き込まれてゆく長編。とても面白かった。

去年の芥川賞受賞作「むらさきのスカートの女」が良かったので借りたのだが、
テレビ(王様のブランチ)で、村田沙耶香が薦めていたから惹かれたのも事実。

主人公ちひろは姉との四人家族。
ところが両親が怪しい宗教にはまってしまい、
どんどん貧しくなってゆく。
学校でも浮いてしまう、ちひろ。
彼女は宗教集会を楽しみに、健気に生きてゆくのだが・・

小学高学年から中学三年にかけての、ちひろの家族に訪れる変化、
試練とも言える事どもを、彼女が乗り越えてゆく様が好ましい。

終わり方に特別な余韻のある物語で、
日経新聞評には「不穏な雰囲気を漂わせる怪作」だとある。
怪作?そこは賛成しかねるけれど。

この文庫版には、著者と小川洋子との対談が収録されていて、
それも大変面白かった。

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