割引デイの夜の回は満席。
韓国映画を映画館で見るのは初めて。
行ったこともない国だから、見るもの聞くもの全てが新鮮だった。
事業に失敗した父親、大学受験に四度も落ちた長男と妹ら、
家族四人が半地下の劣悪な住まいで暮らしている。
そこへ長男の友人が金持ちの娘の家庭教師の口を紹介してくる。
四人は詐欺師並みの技をも用いて、裕福な社長一家に雇われるのだが、
身元をロクに調査しないで次々と雇っていく金持ちを
人が好いからと見せていくところが、本当は突っ込みどころなのだけれど、うまい。
ちょっとした小道具が、消えものであっても
後でちゃーんとストーリーに加わる整合性もあるし、
スクリーン一杯に広がる情景もあるし。
ドンパチの息つく暇ない派手なアクションも、
きらびやかな衣装もないにも関わらず、
これは家庭のテレビよりも、映画館向き。
例えば、
建築家の自信作という一軒家と、貧民窟一歩手前の粗末な半地下の家、
それらを見事に対比させて、どんどん追い込んでいく演出は本当に上手だ。
さらに笑いのスパイスも、ちゃんとツボを押さえて存在している。
また、私には「北」の脅威を嗤うシーンが好ましく、
ハリウッドが評価して世界に出ていくこの映画が、
あの独裁者のイカれた国の存在を、
欧米にアピールしてくれたら良いな〜と感じた。
あっという間に終わりになるような、よくできた映画だった。
でも、この四年間の作品賞の中では、
「グリーンブック」が一番良かった、と断言します。
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