新聞三紙に連載された長編。
釧路で生まれ育った主人公の半生を描いた桜木ワールド。なかなか面白かった。
秀男はすぐ上の姉と人形遊びをするような子供だった。
小学生になる前に、幼い弟が病死し、
ますます男の子としての自分に違和感を強く感じるようになる。
自分の外見の女らしい美しさを自慢に感じて、
ゲイボーイの存在を知ったところで・・・
例によって、夜の世界の片隅で必死に生きる人々が、
作者のペンで鮮やかに浮き彫りになってくる。
ゲイと言うと、私は「セックス・アンド・シティ」のスタンを連想してしまうが、
あの人気ドラマも既に前世紀末の物語。
LGBT が差別を受けずに活躍できるような世界になれば、
この小説は昔昔の古くさ〜いお話になるのかも。
あとがきに、昭和の時代に、いっときテレビによく出ていた
有名なタレントがモデルだ、とある。
私はそのタレントをテレビで何度も見たけれど、
こちらの秀男の方がずっと美人のように思えた。
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