上下巻の長編。昭和39年秋、五輪を前にした東京での警察/犯罪もの。
迫力がありリアルで、とても面白かった。
東大大学院生島崎は秋田の貧農の息子。
出稼ぎ先で急死した兄の遺体引き取りのため飯場を訪ねる。
華やかに変わっていく大都会の片隅で、貧困にあえぐ人々。
東京全体がオリンピックに浮かれる中、大それた復讐を企てる島崎、
その知恵とルックスと若さで、様々な庶民を味方につけ、
彼は着々と罪を重ねていく・・・
犯罪サスペンスであり警察小説でもあり、
格差社会の病巣をえぐる社会派長編。
すらすら読めて楽しめた。
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