今回の直木賞を受賞した作家の、ちょっとヤングアダルト小説っぽい長編。
とても面白かった、繊細で。
タイトルはヒロイン知世子のニックネーム。
物語は、長年の愛犬ジュリエッタと死に別れ、
少年のようなベリーショートヘアにしたところから始まる。
ベースにあるのは、フェリーニ監督の「道」。
名作の誉れ高いこのイタリア映画は、
ヒロインにとって大変大きな存在だ。
高二で進路も決められずに、知世子は映画研究会に言わば逃避しつつ、一夏を過ごす。
高校生ヒロインというと、甘酸っぱい青春の香りがしそうだが
ラブストーリーは・・
もやもやした感じとフワフワとした展開が短気な読み手にはじれったいかもしれない。
また自然描写とか心情の揺れ動きの深入りが、物足りないかもしれない。
それでも、愛すべきチョコリエッタを、心から応援したくなる
そんな小説だった。
そのうち直木賞受賞作も読みたいと思う。
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