mixiユーザー(id:7990741)

2019年06月10日21:14

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「カッコーの歌」フランシス・ハーディング著、児玉敦子訳

ユニークなファンタジー。
最初はまだるっこさを感じたが、途中からどんどん面白くなった。
パラレルワールドものと言えなくもないけれど、
勇敢な「少女」の冒険物語でもある。

第一次世界大戦後のイギリス、土木技師の一家は長男の戦死を受け入れられないでいた。
物語は一家が過ごしていた別荘から始まる。
ヒロインのトリスは沼に落ちてしまったのを助けられ、ベッドに寝かされている。
しかし不思議な囁きが聞こえるし、身体にも異変が起こってくる。

生意気な9才の妹ペン、兄の婚約者だった活発なヴィクトリアなど
トリスは周囲の人々と関わりながら、自分が背負う謎を解き明かし
大切な「もの」を取り戻すべく、勇敢でそして切ない冒険に挑む。

なんだか訳のわからない行動をするトリスに、
読み手は想像を掻き立てられる。
また、生意気な末娘ペンの悪ガキぶりには嫌な感じを抱かせられる。
しかし、トリスが一人で追求していくと・・・

いわゆる異形のものが出て来て、ややこしい所もある。
でも頑張る女の子達の筋の通った冒険ぷりに、
寄り添うようにして読み進める、
勇者の冒険譚として読了した。

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