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2019年06月04日22:02

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「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」フレデリック・ワイズマン監督

Public Library という名称でありながら、
実はニューヨーク市と一般や団体からの善意の寄付で
運営されている、巨大で美しい

ニューヨーク公共図書館

マンハッタンのド真ん中とも言える五番街と42丁目の角に
まるで美術館のような本館(ライオン像が有名)と、
88もの分館がある。

この映画では、本館をベースに、多様な場所ーー特に貧しい地域の分館の活動を映し出す。
ニューヨーク市の郊外に3年半住んでいた私は
懐かしい街の様子に、思わず身を乗り出してしまう。
正面玄関を入ったホールでのトークに集まった人の中に、
知った顔がいないか、必死で探してしまった。

何度も何度もハリウッド映画に登場し、
この街を撮り続けている監督もいるけれど、
ロケが行われているのはトロントだったりもする。

でも、この映画は本当に本物で、真のニューヨーカーを映し出していて、
登場人物達は自然で、そして一様にハキハキしている。

そう!ニューヨークでは図書館人だって物を言うのだ!!
日本のテレビドラマなどで表現される、シャイな本の虫
みたいな人間は、ニューヨークでは図書館で働けないのだ。

と思いきや、ワイズマン監督は図書館の裏方の仕事をも
淡々とカメラで追って見せる。

図書館で開催される催しには、音楽会やダンスの講習会などなど
一般向けの楽しいものもあれば、
貧しい地域の学校教育のサポートのための少人数のミーティングもある。
就職セミナーには本物の消防署員、国境警備員、
兵士などが出てきて、彼らも皆話が上手い。

中休み10分を挟み、ほぽ四時間にわたる長編だが、
平日の午後の回はほぼ満席で、リュックサックを背負った
シニアが、多かった。

実は岩波ホールに行くのは、これが初めて。
長年気になっていた名画の殿堂に、ようやく入れて
いわば記念すべき映画な上に、予告パンフレットには
松岡享子さんのコメントが。

全ての図書館関係者ばかりでなく、
近々ニューヨークに行く予定のある人も
必見のドキュメンタリーだった。
もちろん単なるニューヨーク好きにもオススメ。
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