ベストセラーの著者である元・外交官で、服役したこともある知識人の最新刊。
これからの日本で活躍することが期待できる
国立大の大学院生に対してのプライベートな講義をまとめたもの。
哲学的訓練
と前書きにはあるけれど、
大学講師にしてはかなりチャラい聞き手が、
わかりやすいように、時々質問をする形式で編集してあり読みやすい。
前書きの日付は今年の8月だけれど、実際に講義が行われたのはもっと前だから、
第一講の冒頭に、聞き手の前書きがあるのだが、
そこにはこの講義に参加した大学院生として、当時東大の博士課程にいた
落合陽一 くん
が名を連ねる。
彼はキックボードを手に、初回から遅刻してやって来て、周囲をはらはらさせた・・・
本書は17回の講義でもって、哲学を学ぶ意義、この世界の成り立ち、バチカンの世界戦略などなどを
わかりやすい語り口で、ズバッと綴る。
さらに、然るべき章末には数冊の参考文献リストがあり、親切だ。
私の苦手な、哲学や欧米人の宗教的土台など、面倒だから放置していた諸々の「謎」を、
易しく解明してくれる口語体の教養書で、とても読みやすかった。
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